2016-01-01から1年間の記事一覧

校閲ガール トルネード

著者:宮木あや子 出版社:KADOKAWA 2016年10月刊 \1,404(税込) 219P ご購入は、こちらから 毎週水曜日、夜10時から日本テレビ系列で放送している『地味にスゴイ! 校閲ガール』の原作本である。 今日取りあげる『校閲ガール トルネード』はシリーズ第3作…

イサの氾濫

著者:木村 友祐 出版社:未來社 2016年3月刊 \1,944(税込) 158P ご購入は、こちらから 東北を舞台にした短編小説である。 主人公の将司は、40歳を過ぎて職を転々としている。 大学を出て小さな出版社や印刷会社に勤め、本に関わる仕事をしていたこともあ…

コンビニ人間

著者:村田 沙耶香 出版社:文藝春秋 2016年7月刊 \1,404(税込) 151P ご購入は、こちらから このメルマガで芥川賞作品を取りあげたことはない。 直木賞が「大衆文芸作品中最も優秀なるもの」に授与されるのに対し、芥川賞は「純文学短編作品中最も優秀なるも…

帰郷

著者:浅田 次郎 出版社:集英社 2016年6月刊 \1,512(税込) 252P ご購入は、こちらから 太平洋戦争が終わって71年。 戦争の語り部は年々少なくなっていく。 「戦争を知らない世代」という言葉も古くなってしまったが、戦争が庶民の日常を破壊してしまうと…

ざんねんないきもの事典

副題:おもしろい!進化のふしぎ 著者:今泉忠明/監修 下間文恵/絵 徳永明子/絵 かわむらふゆみ/絵 出版社:高橋書店 2016年5月刊 \972(税込) 175P ご購入は、こちらから これまで地球上にあらわれた生き物のうち、99.9%は滅んでしまった。 かつて…

「決め方」の経済学

副題:「みんなの意見のまとめ方」を科学する 著者:坂井 豊貴 出版社:ダイヤモンド社 2016年6月刊 \1,728(税込) 222P ご購入は、こちらから みんなの意見を正しくまとめるにはどうしたら良いか? という疑問を科学的に解きあかす内容である。 7月はじめに…

未来化する社会

副題:世界72億人のパラダイムシフトが始まった 著者:アレック・ロス 依田光江/訳 出版社:ハーパーコリンズ・ジャパン 2016年4月刊 \1,944(税込) 37531P ご購入は、こちらから 出版社さん、編集者さん、著者さんから書籍をお送りいただく機会が増えまし…

魂の退社

副題:会社を辞めるということ。 著者:稲垣えみ子 出版社:東洋経済新報社 2016年6月刊 \1,512(税込) 211P ご購入は、こちらから 書名:アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと 著者:稲垣 えみ子 出版社:朝日新聞出版 2016年6…

47原則

副題:世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか? 著者:服部 周作 出版社:ダイヤモンド社 2016年7月刊 \1,620(税込) 286P ご購入は、こちらから 出版社さん、編集者さん、著者さんから書籍をお送りいただく機会が増えましたが、せっかくお…

佐藤優さん、神は本当に存在するのですか?

副題:宗教と科学のガチンコ対談 著者:竹内久美子 佐藤優 出版社:文藝春秋 2016年3月刊 \1,620(税込) 255P ご購入は、こちらから キリスト教信者であることを公言している作家の佐藤優氏と、動物行動学を学び遺伝子や生物について多くの著書を書いている竹…

ハンニバル戦争

著者:佐藤 賢一 出版社:中央公論新社 2016年1月刊 \1,998(税込) 412P ご購入は、こちらから 紀元前3世紀にローマとカルタゴの間で戦われた第二次ポエニ戦争を舞台に、ローマの将軍スキピオの活躍を描いた歴史小説である。

リストマニアになろう!

副題:理想の自分を手に入れる「書きだす」習慣 著者:ポーラ・リッツォ 金井真弓/訳 出版社:飛鳥新社 2016年6月刊 \1,620(税込) 221P ご購入は、こちらから 出版社さん、編集者さん、著者さんから書籍をお送りいただく機会が増えましたが、せっかくお送り…

校閲ガール ア・ラ・モード

著者:宮木 あや子 出版社:KADOKAWA 2015年12月刊 \1,404(税込) 230P ご購入は、こちらから 毎週火曜日夜10時からTBSで放送されている『重版出来』というドラマをご存じだろうか。 録画して毎週たのしみに見ていたところ、中3の娘も見ていたというこ…

パソコンが壊れた!

先週の木曜日のこと。 帰宅後にパソコンの電源を入れたのに立ち上がりません。 朝は動いていたのにおかしいなぁ……。 何度もスイッチを入れたり切ったりしているうちに、急にファンがブォーーーーっと回り出しました。 それからは、電源を入れるとファンがブ…

『罪と罰』を読まない

著者:岸本佐知子 三浦しをん 吉田篤弘 吉田浩美 出版社:文藝春秋 2015年12月刊 \1,674(税込) 291P ご購入は、こちらから 『読んでいない本について堂々と語る方法』という本が2008年に出版された。 たいていの人は本をちゃんと読んだりせずに飛ばし読みや…

あなたは、わが子の死を願ったことがありますか?

副題:2年3カ月を駆け抜けた重い障がいをもつ子との日々 著者:佐々 百合子 出版社:現代書館 2016年4月刊 \1,728(税込) 205P ご購入は、こちらから 重い障がいをもつ子と過ごした日々をつづった体験手記である。 2012年8月1日の深夜、軽い前駆陣痛を感じ…

泣くのはいやだ、笑っちゃおう

副題:「ひょうたん島」航海記 著者:武井 博 出版社:アルテスパブリッシング 2015年12月刊 \1,944(税込) 277P ご購入は、こちらから 「雑誌は発売されたときに買わないとなくなってしまうけど、本はあとでも買える」と思っていた。 でも、それは間違い! …

怖いクラシック

著者:中川 右介 出版社:NHK出版(新書) 2016年2月刊 \886(税込) 283P ご購入は、こちらから 『怖いクラシック』というタイトルを見て、すぐに中野京子著『怖い絵』を思い浮かべた。 中野氏の『怖い絵』は、西洋絵画にくわしくない人に絵の見かたをやさし…

勉強せずに英語力

書名:月に残業150時間! デスマーチに追われるIT技術者が勉強せずに英語力を身につけてキャリアアップした方法 著者:鈴木 信貴 出版社:秀和システム 2016年3月刊 \1,620(税込) 327P ご購入は、こちらから 出版社さん、編集者さん、著者さんから書籍…

暇と退屈の倫理学

著者:國分 功一郎 出版社:太田出版 2015年3月刊 \1,296(税込) 437P ご購入は、こちらから (前回からのつづき) 浅沼ヒロシの「結論」 「暇と退屈の倫理学」の結論を理解するには、この本をはじめからきちんと読まなければならない、と國分氏は言っていた…

暇と退屈の倫理学

著者:國分 功一郎 出版社:太田出版 2015年3月刊 \1,296(税込) 437P ご購入は、こちらから (前回からのつづき) 第七章 暇と退屈の倫理学 ハイデッガーの退屈論を「批判的に検討」しおわった國分氏は、いよいよ本の題名と同じ「暇と退屈の倫理学」を展開す…

暇と退屈の倫理学

著者:國分 功一郎 出版社:太田出版 2015年3月刊 \1,296(税込) 437P ご購入は、こちらから (前回からのつづき) 第六章 暇と退屈の人間学 ハイデッガーの解決策が納得できない國分氏は、納得できない理由として「ハイデッガーは“人間だけが退屈する”と考え…

暇と退屈の倫理学

著者:國分 功一郎 出版社:太田出版 2015年3月刊 \1,296(税込) 437P ご購入は、こちらから (前回からのつづき) 第五章 暇と退屈の哲学―そもそも退屈とは何か? ぶ厚い本も、やっと半ばに達したところで、國分氏は宣言する。 本書では退屈論の最高峰に挑戦…

暇と退屈の倫理学

著者:國分 功一郎 出版社:太田出版 2015年3月刊 \1,296(税込) 437P ご購入は、こちらから (前回からのつづき) 第三章 暇と退屈の経済史 第三章で國分氏は、退屈と経済の関係について歴史をさかのぼってみる。 かつて「有閑階級」という階級があった。多…

暇と退屈の倫理学

著者:國分 功一郎 出版社:太田出版 2015年3月刊 \1,296(税込) 437P ご購入は、こちらから (前回からのつづき) 第二章 暇と退屈の系譜学 「人間はいつから退屈しているのか?」という副題を持つこの章では、人類学者の西田正規氏が提唱する「定住革命」に…

暇と退屈の倫理学

著者:國分 功一郎 出版社:太田出版 2015年3月刊 \1,296(税込) 437P ご購入は、こちらから (前回からのつづき) 第一章 暇と退屈の原理論(つづき) パスカルは「人間は退屈に耐えられず、熱中できる気晴らしを求める。熱中できる気晴らしは、苦しみを含ん…

暇と退屈の倫理学

著者:國分 功一郎 出版社:太田出版 2015年3月刊 \1,296(税込) 437P ご購入は、こちらから (前回からのつづき) さあ、いよいよ本論だ! と、張りきって読みはじめたぼくは、「あれっ?」と思った。 なんだか、前に読んだ気がするなぁ。 さっそく「暇と退…

暇と退屈の倫理学

著者:國分 功一郎 出版社:太田出版 2015年3月刊 \1,296(税込) 437P ご購入は、こちらから(前回からのつづき) 序章 「好きなこと」とは何か? 國分氏はイギリスの哲学者バートランド・ラッセ(1872-1970)が『幸福論』で述べていることを次のように紹介し…

暇と退屈の倫理学

少し長い前ふり 多くの人が「充実した幸福な人生を送りたい」と思っている。 もちろん、ぼくも充実した人生をめざしている。そのために、充実した仕事、良好な人間関係、幸福な家庭を築くことにつとめているのはもちろんだが、実はひそかな裏テーマをもって…

片手の郵便配達人

著者:グードルン・パウゼヴァング/〔著〕 高田ゆみ子/訳 出版社:みすず書房 2015年12月刊 \2,808(税込) 241P ご購入は、こちらから 第二次世界大戦末期のドイツの片田舎を舞台にした小説である。 日本では昭和16年(1941年)12月8日の真珠湾攻撃から太平洋…