高校の同級生が「大人の修学旅行」を企画してくれた。
京都のお寺と紅葉を満喫する4泊5日の旅で、5年前に続いて2回目の旅行だという。
もちろん行く行く! と手を挙げ、同行させてもらうことにした。
参加者は13名。
北海道から来るメンバーが多かったが、東京、茨城、神奈川のほか、アメリカから駆けつける人もいた。
観光旅行は久しぶり。
楽しい楽しい5日間になった。
著者:頭木 弘樹 出版社:青土社 2024年2月刊 1,980円(税込) 269P
著者の頭木(かしらぎ)氏は「文学紹介者」という聞き慣れない肩書きを名乗っている。
10代までは本を読まない人間だったが、大学3年生で難病にかかって13年も闘病生活を送った経験があり、そのときカフカの言葉に救われたことから『絶望名人カフカの人生論』を書いた。
病気と一生つきあう生活を送っていると、世の中の「ふつう」と自分にとっての「ふつう」がちがう場面に行き当たることが多くなった。
心の中の思いを形にしたいと思っていたときに、日経新聞夕刊のエッセイコーナーへの連載打診を受け、半年間連載した原稿が本書の基になっている。
本書は、社会の弱い立場や少数派に属している人の視点から、強い立場や多数派の人が当たり前に思っていることに、「それでいいんですか?」と疑問をなげかけるエッセイである。
続きを読む著者:三宅 香帆 出版社:集英社 2024年4月刊 1,100円(税込) 285P
本読みにとって身に覚えのある題名だ。
本が売れなくなったと言われるが、「本を読みたいのに読めない」と思っている人の心をグッと掴んだ本書は、よく売れているらしい。
発売1週間で10万部超え! と新聞広告に載っていた。
本書奥付の発行日が2024年4月22日で、僕がこの本を買ったのが5月1日だから、僕も発売後すぐに飛びついた一人だ。
なんで飛びついてしまったかというと、目次の1行目、
まえがき 本が読めなかったから、会社をやめました
にびっくりしたからだ。
えーーーっ!!
そんなことで会社やめちゃったのーーーー
この人、すごい。
ぶっ飛んでる!!
雑誌:SWITCH VOL.42 NO.5 (2024 MAY.)
出版社:スイッチ・パブリッシング 2024年4月刊 1,100円(税込) 142P
もう30年も前のこと、所ジョージさんの大ファンになったことがある。
今も続いている日テレの「笑ってコラえて」はもちろん、当時ニッポン放送系で放送していたラジオ番組『日曜夕方トコロのココロえ』(1995年4月~2000年3月)も欠かさずMDに録音して聞いていた。
所ジョージさんの歌がヒットチャートに乗ることはなかったが、1997年に発売された「ブタとダイヤモンド」というアルバムに収録されている「ポークストレイツ」は、我が家の中で大ヒットしたものだ。
いっしょにハマってくれたカミさんと2人で、歌詞の中に出てくる「ボーク」にちなんだ場所を訪ねる「聖地巡礼」に行ってみたこともある。
続きを読む副題:北海道にボールパークを創った男たち
著者:鈴木 忠平 出版社:文藝春秋 2023年3月刊 1,980円(税込) 293P
NHKで4月6日(土)から「新プロジェクトX」の放送が始まった。
18年前に終了した「プロジェクトX」が日本の産業史・現代史に残るプロジェクトを取り上げたのに対し、新シリーズではバブル崩壊以降の「失われた時代」のプロジェクトを取り上げる、とのこと。
要は「昭和」から「平成」にフォーカスを移したらしい。
前シリーズを毎回楽しみに見ていたので、初回の
「東京スカイツリー 天空の大工事 ~世界一の電波塔建設に挑む~」
を見た。
前シリーズ同様、光が当たらなくてもひたむきな仕事に励んだ人々の挑戦のドラマに仕上がっていた。
本書『アンビシャス』を読み終えて、同じような感慨を覚えた。
テレビ映像と書籍という違いはあるが、『アンビシャス』もまた、大事業を成しとげるためにねばり強く前にすすんだ球団職員の挑戦のドラマに仕上がっている。