副題:女二人の手紙のやりとり
著者:佐藤愛子,小島慶子 出版社:小学館 2020年5月刊 1,100円(税込) 189P
「父祖伝来の乱暴者の血を受け継いだ」佐藤愛子氏と「生眞面目さと無邪気さが同居」している小島慶子氏の往復書簡集である。
続きを読む副題:こうして私は職業的な「死」を迎えた
著者:宮崎 伸治 出版社:三五館シンシャ 2020年12月刊 1,540円(税込) 246P
新聞に載っている出版広告でいつも目につく広告がある。
なんだかトホホな感じのイラストと、「ヨレヨレ日記」だの「ヘトヘト日記」だのトホホなタイトル。
最初に見たのは『交通誘導員ヨレヨレ日記』だったが、そのうち『派遣添乗員ヘトヘト日記』とか、『マンション管理員オロオロ日記』のような、テレワークとは縁のない職業の著者が続く。
なかには不思議なオノマトペが登場する『メーター検針員テゲテゲ日記』という題名もあり、「テゲテゲって何?」とツッコミたくなる。
よく売れたので、きっとシリーズ化したのだろう。
見ているうちに脳ミソに刷り込まれたに違いない。『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』の広告を見たとき、とうとう「ポチッとな」してしまった。
続きを読む著者:森山 至貴 出版社:WAVE出版 2020年8月刊 1,540円(税込) 208P
ざっくり要約すると、「10代の若者向けに、マウンティングに負けない方法を教える指南書」である。
10代向けに読みやすい内容と構成に仕上がっているが、「ずるい言葉」を言う人の心理分析がみごとで、大人が読んでも一つひとつ考えさせられる内容だった。
著者:斎藤幸平 出版社:集英社 2020年9月刊 1,122円(税込) 375P
人類の環境破壊がひどくなって、気候変動が取り返しのつかない事態に近づいている。
この危機を乗りこえるためには、晩年のマルクスが考えていたように、資本主義に立ち向かって「脱成長コミュニズム」を実現するしかない! あなたも立ち上がろう!
というのが本書の主題である。
なんともぶっ飛んだ主張である。
読者を驚かせる内容であることは著者自身もよく分かっていて、
本書の「おわりに」にも、
マルクスで脱成長なんて正気か――。そういう批判の矢が四方八方から飛んでくることを覚悟のうえで、本書の執筆は始まった。
と書いている。
続きを読む著者:壇 蜜 出版社:文藝春秋 2019年10月刊 1,595円(税込) 185P
蒲田健というラジオパーソナリティをご存知だろうか。
1966年東京都出身で、現在53歳。
低音のナイスボイスでいろいろなスポーツイベントの会場MCやDJを務めている。
去年のラグビーワールドカップでも、にわかラグビーファンの一人として南アフリカ対イングランドの決勝戦をテレビ観戦していたら、実況音声から蒲田健の声が聞こえてビックリした。
会場MCを担当していたらしい。
その蒲田健が本の著者にインタビューする「ラジオ版学問ノススメ」というFM放送の番組がある。
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