2日で人生が変わる「箱」の法則


副題:すべての人間関係がうまくいく「平和な心」のつくり方
著者:アービンジャー・インスティチュート/著 門田美鈴/訳
出版社:祥伝社  2007年9月刊  \1,680(税込)  300P


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人間関係が泥沼化し、にっちもさっちも行かなくなることがある。そんなとき、「問題を解決したいという気持ちとうらはらに、ひょっとしたら、別のことにこだわっているから問題が長引いているのではないか」と振り返ることができれば、問題は解決したも同然。――そんな考え方を丁寧に教えてくれるのが本書だ。


主人公の実業家ルー・ハーバートは、息子のことで悩んでいる。麻薬で有罪判決を受けた息子は、1年間服役して出所したと思ったら、今度は鎮痛剤を盗んで再逮捕。裁判所の命令で、更正プログラムを受けることになった息子に付き添い、ルーは妻といっしょにアリゾナ砂漠の施設にやってきた。
本書は、この更正施設で保護者向けに行われる二日間のセミナーの内容を中心に物語が進む。キャンプを主催するのは、パレスチナで長年にくしみ合う同胞を持つアラブ人とユダヤ人のコンビ。世界で一番憎しみあっても不思議のない二人が、互いを許し合うようになった思想の秘密が、徐々に明かされる。
自分の力だけを頼りにベトナム戦争から生還し、ビジネス界でのし上がってきたルーの心に去来するものは……。


本書は、同じ著者でベストセラーになった『自分の小さな「箱」から脱出する方法』の続編とのこと。
翻訳ものなので、ちょっと理屈っぽく感じる部分もあるが、冷たく凍てついた心を溶かす力のあるストーリーと感じた。