30分の朝読書で人生は変わる


著者:松山 真之助  出版社:中経出版  2011年7月刊  \1,365(税込)  175P


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著者の松山さんは僕のメンターの一人なので、読みはじめるまで気づかなかったのだが、よく考えると、朝30分読書したら人生が変わる、という少し大げさなタイトルは誇大広告の匂いがする。


人生が変わるって大変なことだ。
朝30分読書したくらいで変えられるものなら、みんなとっくにやっている。


「朝コップ1杯の水を飲めば1ヵ月で10Kg痩せる!」と同じくらいアヤシイ。


でも、著者の松山さんは大まじめ。
だって、松山さんの人生が変わった節目が朝読書だったから。




松山真之助さんは名古屋大学大学院を修了後、1979年に某航空会社に入社した。ちょっと遠くに自宅を構えてしまったので、通勤時間が片道2時間というよくあるお疲れサラリーマン生活を送っていた。


あるとき、満員電車での通勤地獄から脱出したい一心で、始発電車での通勤を始める。
座って通勤できるし、早く会社へ着けば誰にも邪魔されずに仕事もはかどる。いままでと仕事の仕方が変わり、デキるヤツに変身しはじめたのだ。


また、早朝の静かな車内は読書するのにぴったりの環境だったので、松山さんは暇つぶしに読書をはじめた。


20代以前の松山さんは、決して読書家ではなかった。なにしろ、学生時代に読んだのが『龍馬がゆく』と『人間の條件』だけだったそうだ。それぞれ、司馬遼太郎五味川純平の代表作ともいえる長編小説だが、学生時代にこれしか本を読まなかったことを「たった2作というのもお粗末なものです」と、松山さんは反省している。


そんな松山さんが本の面白さに目覚めた。


会社の図書室で借りる本がなくなって、近所の図書館に通うようになる。やがて往復で1冊読み終わってしまうようになって、読書量も増えていった。


せっかく読んだ本の内容を同僚に伝えはじめたところから、本格的に人生が変わりはじめるのだが、ここから先は読んでのお楽しみとさせていただく。



以前にも書いたとおり、僕も通勤電車で座ろうと思って早起きするようになってから、それまで会社にどっぷり浸かっていた生活が変わっていった。たくさん本が読めるようになり、ブログ元年の頃に書評ブログを書きはじめた。
2004年に松山さんの『早朝起業』という本に出会い、「続けていくと、何かが生まれる」という言葉にはげまされ、とうとう書評本を商業出版してしまった。(『早朝起業』の内容は2004年のブログ参照)


海外現地法人の社長を務めたり、客員教授や非常勤講師として教鞭を執っている松山さんほど劇的に人生が変わったわけではないが、仕事でコンピュータと長年つきあってきた僕が、雑誌(日経ビジネス)の書評欄に記名原稿を書いているというのは、5年前には想像もしなかった。


一歩先をいく松山さんの後をついていってみたら、僕も人生が変わっていた。
本当に、30分の朝読書で人生は変わるのだ。


「朝」、「読書」、「伝える」をの重要さを知り、人生を変えるきっかけを本書で手にしてほしい。