仕事と人生に効く100冊の本


2005年12月刊  著者:松山 真之助  出版社:秀和システム  \1,575(税込)  255P


仕事と人生に効く100冊の本


著者は、1997年にスタートした書評メルマガ「Webook of the day」の発行人です。Webook は「毎日発行する書評メルマガ」の草分けで、単純計算すると、約3000冊の本を紹介していることになります。
本業でサラリーマンをしながらこんなすごいことをしているだけでも驚きですが、著者はこのメルマガがきっかけになって、大学院の客員助教授(金沢工業大学)になってみたり、芸術大学の非常勤講師(東京藝大)を勤める他、年20回以上の講演活動、エグゼクティブコーチなど、いろんな分野で活躍しています。「本当に体が一つなんだろうか」と驚嘆するしかありません。


著者は、サラリーマンをしながら社外活動をすることを勧めた『早朝起業』を書いたり、バランススコアカードの入門書を書いたりしていますが、「書評は私のOS(コンピュータを動かす基本ソフト)です」という、著者の活動の原点に立ち返るのが、この『100冊の本』です。


自分自身でいろいろな活動をしながら著者が感じているのは、
   多くの人がそれぞれやるべきことをやり、やりたいことを楽しくやり、
   「よのなか」のためになることをできる世界。そんな世界があればい
   いと思う。
ということです。
 やりたいことを楽しくやって、この世に何がしかの貢献をする切り口を、
  ・個人=ブランド・パーソン
  ・組織人=ビジネス・パーソン
  ・よのなかの人=ソーシャル・パーソン
という三つに分け、それぞれ人間的成長のヒントを与えてくれる本、“人生に効く”本を紹介しています。
本書のユニークなところは、本の内容紹介もさることながら、どのページにも、「この本の著者に会いにいきたい」とか「ふむふむ、仕事に使えるね」など、本に刺激を受けた著者が今にも行動を起こしそうな感想が書かれていることです。ふつうの人がこんなに本に刺激を受けたら、たいへんなことになってしまいそう。なんとパワフルなお人でしょう。


本書で紹介している本を読まなくても、著者の感想を読んでいるだけでも元気になる、という珍しいタイプの本です。
その他、あの「さおだけ屋」著者の山田真哉さんや、吉越浩一郎さん、兼元謙任さんのインタビューも収録されています。


お薦めです!


以下、ちょっと、個人的な話を……。
以前に何度も書きましたが、著者の松山真之助さんは、私が勝手にメルマガのお師匠さんと尊敬している方です。
松山さんには『早朝起業』で“早起きして書評メルマガを書く”というスタイルを教わり、『マインドマップ読書術』の出版記念セミナーで初めてお会いしました。


その後も Webook で教えていただいた本を読んだり、教えていただいた松山さんの知人主催のセミナーに出席したり。何だか、お釈迦様の手のひらで飛び回っている孫悟空みたいですが、目標になる人、お手本になる人がいるというのは、本当に幸せなことだと感じています。


同じ「書評」というジャンルで文章を綴っていて素晴らしいと感じるのは、松山さんの文章の明るさ、軽さです。
私が書く文章は我ながら“重い”なぁ、と感じます。(取りあげる本がヘビーなものが多い、という事情もあると思いますが……)
ところが、松山さんは、「いいこと聞いちゃった!」「こんど試してみよう」という明るさが溢れています。これが一万人の読者の心をとらえて離さない人気の秘密なんでしょうね。


私のメルマガはこれからも「ココロにしみる」路線で続けていこうと思いますが、このブログは少し軽いノリの文章にもトライしてみようと思います。


これからも、よろしく!