森永卓郎講演会に参加しました。


雪で大騒ぎした余韻の覚めやらぬなか、某社親睦団体主催の「森永卓郎講演会」が開催されました。
某社って私の勤務する会社なんですが、社名は一応ナイショ(笑)。


森永さんの本は『辞めるな!キケン!!』『年収崩壊』を書評してますし、准レギュラー出演しているTBSの「がっちりマンデー」も毎週欠かさずチェックしています。


経済評論家としての主張が合っているかどうかはよくわかりませんが、セコロジストとしての森永さんは大好き! 社員なら誰でも無料で聴講できるという、この機会をのがす手はありません。


講演会終了後にサインしてもらおうと、『年収防衛』
年収防衛―大恐慌時代に「自分防衛力」をつける (角川SSC新書)
をカバンに入れて出勤し、楽しみにしていたのです。


ところが、こんな日にかぎって急ぎの仕事が入ってしまい、残業になってしまいました。
やっと片付けて駆けつけたのは、講演開始から30分も経ってから。


そーーーっと入って会場の後ろの席につきます。森永さんは、さかんにハゲタカファンドのやり口を糾弾しているところ。30分ほど金融工学でアブク銭を手にしたカネ持ちたちを強い口調で批判したあと、じゃ、庶民はどう生きていったらいいのか、という話題に切り替わりました。
森永さんの持論の「ラテン系の生き方をしよう」という話をしながら、さかんに小道具を取り出し笑いを取ろうとします。しかし、200人以上も聴講しているにしては、会場はイマイチ盛り上がりません。
やはり、無料の講演会というのは、聞くほうのモチベーションがあまり高くないようですね。セコイ心情かもしれませんが、有料の講演会ならば「せっかくお金を払ったのだから、何かを手に入れて帰りたい。できれば質問もしてみよう」と積極的に聞こうとする意欲がわいてきます。逆に、無料の講演会は聴衆の意欲も低くなってしまう、と聞いたことがあります。


講演終了後に質問タイムが設けられましたが、司会者の呼びかけに手をあげる人が誰もいません。途中参加ということで遠慮していた私ですが、何も質問が出ないというのは講演者に対して失礼だと思い、遅ればせながら手をあげました。


「素晴らしい講演をありがとうございました」と型どおりの挨拶をしたあと、『年収防衛』の次の一節を読み上げました。

私自身は自由闊達で、えげつない会社が好きですね。紳士風に振る舞っていますが、権威主義で複雑な稟議とか手続きが必要な会社では生きていけないんです。私が以前勤めていた会社も、親会社が権威主義の会社に買われてしまったので、居づらくなってしまいました。

続いて質問。「この、居づらくなってしまった会社というのは、先ほどのお話に出てきたあの会社ですか?」


森永さんのは、「そーーなんですよ!」と肯定したあと、一挙手一投足を報告しなければいけないような風土になってしまった様子を詳しく語ってくれました。


企業の社会的責任、だの、コンプライアンス、だのと、あとで誰かに後ろ指を指されないようにするためだけに膨大な記録を残す風潮が広がっているようです。適当にスルーしないと、やってられませんよね。


結局、質問は私ひとりだけで、講演会はそのまま終了。
「最後に大きな拍手を」と司会者が促し、拍手が鳴っている最中に森永さんは会場を後にしてしまいました。
サインをゲットできず、残念!