ツイッター 140文字が世界を変える


著者:コグレマサト いしたにまさき  出版社:毎日コミュニケーションズ(マイコミ新書)  2009年10月刊  \819(税込)  215P


ツイッター 140文字が世界を変える (マイコミ新書)    購入する際は、こちらから


新しい商品やサービスが世の中に広まっていく段階をアメリカの社会学者が5つに分けました。


(1) 誰も知らない段階で試めしはじめるイノベーター(革新的採用者)
(2) 次に使い始めるアーリーアダプター(初期採用者)
(3) 利用率が50%に達する前に使い始めるアーリーマジョリティ(初期多数採用者)
(4) 利用率が50%に達した後で使い始めるレイトマジョリティ(後期多数採用者)
(5) ほとんどの人が使い始めて、やっと手にするラガード(採用遅滞者)


インターネット利用者の中で、ツイッターはアーリーマジョリティ(第3段階)に入ったように感じます。


私もツイッターをはじめてから1ヶ月たちました。


この新しいコミュニケーション手段に、いったいどんな力が備わっているのかを知りたくなり、本書を手にしました。


本書は、まだ良く知らない人のために、ツイッターとは何なのか、どう楽しめばよいかを紹介し、さらにビジネスの現状、ツイッターの今後の見通しまで、かけ足で教えてくれます。


ツイッターは、1メッセージ140字以下で公開する文字だけのブログのようなものですが、この「140字」という制約は、海外の携帯電話のショートメッセージの制約からきています。


たった140字で何が書けるのか。いったい何がおもしろいのか、と理解されない時期がありましたが、本書では、

  逆に文字数に制限があることで、書くことの敷居を下げている

という長所を指摘しています。


もうひとつ、ミクシィと比べて敷居が低いのが、「フォロー」というゆるやかなつながり方。


ミクシィでは申請をして許可を得なければマイミクになれませんが、ツイッターでは、「この人のツイッターを続けて読みたいなぁ」と思ったら、相手に許可を取らなくても「フォロー」でき、拒否されさえしなければ読み続けられます。


また、「フォロー」するときに相手に通知メールが行きますが、読むのをやめる時は通知が行きませんので、フォローをやめるのも気が楽。


ミクシィで「足あとがあるのにコメントしてくれない」とか、「あまり日記の内容に興味が持てないけど、マイミクをやめるわけにいかない」など、人間関係のしがらみが発生してしまうのと比べると、とてもゆる〜い繋がりです。


ビジネスの観点でツイッターを見ると、グーグルからの買収を断ったとか、グーグルはツイッターを恐れているという話題も載っていて、ブログやYouTubeが世界中に普及したのと同じようなインパクトを社会に与える可能性を示唆しています。


ツイッターを概観するのにちょうど良い、今が旬の一冊です。


さて、本書の内容をふまえ、利用歴1ヶ月の私がツイッターについて感じたことを少し書かせていただきます。


以前も書きましたが、私がツイッターを使いはじめたきっかけは、山田真哉さんから「書店営業ツイッターの旅」を始めるというメールをいただいたことです。(山田さんのツイッターこちら


山田さんはフォローする人、フォローされる人が3千人を超えるというヘビー
ユーザでした(1ヶ月後の今は4千人を超えてます)が、いきなり人数を増やすと何が何だか分らなくなりそうだったので、フォローする人を増やすスピードは遅くすることにしました。


本日現在、まだ13人のつぶやきしか読んでいません。


私はミクシィのアカウントは持っていても、ほとんどログインしていませんので、他の人が何をしているのか、何を感じているのかを一日に何回も読む、という経験は初めてです。


ゆるやかに繋がったネッ友と、やるやかに会話するのは楽しいものですね。



たとえば、喫茶店でモーニングサービスを食べているとつぶやいたら、


「わおっ! その店、我が家から車で3分。休みの日にときどき行くところです」


と、ひげうさぎさんからダイレクトメッセージが届き、生活圏が一部重なっていることを実感します。


また、お師匠さんの橘川幸夫さんの電子図書をitunesで買ったことをつぶやいてみたら、「まいどありい」とリプライが入りました。



もうひとつ、先週の日曜日、図書館から外に出たら素晴らしい夕焼けが空が広がっていて、しばらく見とれていました。
家に帰ってツイッターを見ると、関西在住でコピーライター・五行歌人の中島未月さんが、

  なんにもない青、あお、アオ。バス停から空を見あげながら帰ってくる。

とつぶやいているのを読みました。


そうかあ、関西は晴天なんだぁ……、と思ったら、返歌を書いてみたくなり

  赤、あか、アカ。筋雲が美く染まった空を見ながら、図書館を出た。

とつぶやきました。(お粗末さまです(^_^;))


とはいえ、ツイッターは時間食い虫です。


一日に何十件もつぶやいている橘川幸夫さんも、

  忙しい理由は分かっている(笑)

とつぶやいておられました。


ツイッターと上手に付きあうためには、適当に読み飛ばすことも必要なのでしょうが、せっかくなので皆さんのつぶやきを全部読もうとしてしまい、もうそろそろ読める限界に達しています。


やっぱり私はアーリーアダプターじゃなく、アーリーマジョリティなのかも……。