理系アタマのつくり方


著者:四ツ柳 茂樹  出版社:サンマーク出版  2009年1月刊  \1,470(税込)  219P


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起業家には営業力をはじめとして「文系」的な力が重要だと思われているが、そうではない。理系的な思考も車の両輪のように必要なのだ。だから理系的な考え方が苦手な人に、物語を通じて勘どころをやさしく解説させてもらう。
――これが本書の主題である。


ビジネスの現場で必要な4つの力、「論理力(Logic)」「抽象力(Abstraction)」「計算力(Calculation)」「実験力(Experimentation)」の頭文字をとり、四ツ柳さんは“LACEの法則”と名づけた。これを新入社員でもわかりやすく学べるストーリー形式で書いた。


ロジカルシンキングだの、フェルミ推定だの、フレームワークだの。ジビネス書の世界は、難しそうな横文字があふれかえっている。
本書は、なるべく難しい言葉をつかわず、優しく、易しく、やさし〜く理系的考え方を教えてくれる。


とことん易しく説明する、というところが、望月実さんの『問題は「数字センス」で8割解決する』そっくりだし、ストーリー形式というところが小宮一慶さんの『成功する上司』を思い出させる。


いろんな本の“いいとこ取り”をしている本書は、ともかく分りやすい。そして、物語が最後のページまで読者を引っぱっていってくれる。



本書が実質上初の著作という四ツ柳さんは、多くの人々の応援も受けているようだ。


書評ブロガ小飼弾さんの書評には、「エリエス・ブック・コンサルティングの古屋様より献本御礼」とあったし、smoothさんの書評「マインドマップ的読書感想文」には、「お世話になっている某出版社の某氏さんからご連絡を受けて」と書いてある。
担当編集者が自分のてがけた本を献本するのは珍しくないが、小飼弾さんにもsmoothさんにも、この本の版元以外の人がアプローチしている。


かくいう僕も、サンマーク出版以外の編集者から送っていただいた。福島正伸さんつながりで応援している、とのことだ。


「浅沼様もご記憶と思いますが、初めての本は思い入れがありますよね。ですので何か応援したいと思い、ご送付した次第です」と、手書きで推薦依頼文が書いてあった。
こんなふうにツボを押されると、とても放っておけなくなる。僕も本書の応援者の一人となって、ここに簡単な紹介文を書かせてもらった。


本の内容もさることながら、これだけ多くの人が応援してくれるのは、日頃の行いの賜物なのだろう。プロフィールによると「経済産業省の後援により発足した起業家支援サイト「ドリームゲート」にて相談数No.1を1000日間以上継続」という実績があるというから、むべなるかな、である。