著者:奥野 宣之著 出版社:Nanaブックス
2008年12月刊 \1,365(税込) 211P
売れる本を予想するのは難しいものです。
私の著書『泣いて笑ってホットして…』は、良い本なのにあまり売れていません(涙)。
ほかにも、私が惚れこむほど面白かったのにあまり売れなかった本がたくさんあります。
きっと、世間の目は節穴なのでしょう……。
逆に、それほど注目していなかったのに、あれよあれよという間にベストセラーになった本が2冊あります。
1冊は山田真哉著『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』、
もう1冊が奥野宣之著『情報は1冊のノートにまとめなさい』です。
きっと、私の目は節穴なのでしょう(笑)。
『さおだけ屋……』は社会現象を起こすほど売れましたので説明を省略しますが、知らない人のために『情報は1冊のノートにまとめなさい』の内容を簡単に紹介しておきましょう。
『情報は……』は、「A6サイズのノートに何でも書く、何でも入れる」という整理術です。誰でもラクして続けられる、低コスト、ローテク! というところが読者に受け入れられたようで、現在27万部を突破するベストセラーになっています。
「すべての情報をノートパソコンに入れる」という整理術と正反対なところが面白く、私もことし3月のブログで紹介したのですが、ここまで大化けするとは思いませんでした。
今日の一冊は、私が予想を誤った『情報は1冊のノートにまとめなさい』の著者、奥野宣之さんの新刊です。
タイトルは『読書は1冊のノートにまとめなさい』
さっそく本屋さんで平積みされていますが、「情報」の部分が「読書」に変わっているのと表紙の色が少し黄色くなったこと以外は、ほとんど同じ装丁です。
並べて平積みしてもらおうという出版社の読みは当たっていますが、ひょっとすると同じ本と勘違いされるかもしれませんよ(笑)。
今回も、情報をなんでもかんでもA6サイズのノートに入れてインデックスだけパソコンで整理しておく、という奥野流の整理術を紹介しています。
前著で整理するのは“すべて”の情報でしたが、今回は本や雑誌などの“活字メディアについて”の情報に限りました。
前著が「せっかくの情報を記録していつでも引き出せるようにする方法」を説いていたように、今回も「せっかくの読書情報を記録していつでも引き出せるようにする方法」を教えてくれます。
「僕は記憶力が悪いほう」という奥野さんは、読んだ本の内容をどんどん忘れてしまって、最後には「この本読んだ」ということも忘れて同じ本を買ってしまうことに頭を悩ませていました。
読んだのに忘れてしまっては、読んでいないのと同じ。
せっかくの読書情報をもっと身につくようにする方法はないか?
奥野さんが行きついたのは、ノートに内容を抜き書きして感想を書き加えておく、というシンプルな方法です。奥野さんはこの方法を、「インストール・リーディング」と命名しました。
シンプルだから長続きする。シンプルだから誰にでも勧めることができる。
奥野さんは本書で、本の選び方からはじまり、本の買い方、読み方、メモの取り方、ノートへの整理の仕方を濃密に講義し、最後にアウトプットを引き出すところまで引っ張っていってくれます。
「インストール・リーディング」の詳しい方法は本書をご覧いただくとして、奥野さんが書いている「ねぎま式読書ノート」と私の「アサヌマ式読書ノート」に共通点が多かったことはご報告しておきましょう。
フォトリーディング、フォーカス・リーディング、レバレッジリーディング、スロー・リーディング……。
いろいろな読書方法がありますが、続かなければ何にもなりません。
今までありそうでなかった読書法、この方法なら続けていけるかもしれないと思わせてくれる読書法でした。
本当に簡単に続けられるかどうか、ぜひお試しください。