一冊からもっと学べるエモーショナル・リーディングのすすめ


著者:矢島 雅弘  出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン  2014年11月刊  \1,404(税込)  253P


一冊からもっと学べる エモーショナル・リーディングのすすめ    ご購入は、こちらから


みなさん、こんにちは。
「晴読雨読日記」発行人、ブックレビュアーの浅沼ヒロシです


あなたは、本を読むのを苦痛に感じることはありませんか?


たとえば、読むのがめんどうとか、読んでも何かプラスになるわけじゃないのになぁ、とか、そもそも、読む楽しみが感じられないとか。
書店に足を運んでみても、読みたくなるような本が一冊もみつからない、ということがあると思います。


こうして、書評ブログに目を通していただいているのですから、どちらかというと、本に興味を持っているはずなのに、本を読む意欲がわいてこない。
そんなあなたに、「読書がもっともっと楽しくなる」と著者本人が太鼓判を押している本を紹介します。


浅沼ヒロシがお送りしている「晴読雨読日記」、スタートです。


――と、いつもと違う調子ではじめてみました。


実は、この文章、この本の著者、矢島雅弘さんがパーソナリティをつとめるポッドキャスティング番組「新刊ラジオ」の冒頭の話し方をマネしてみたものです。


僕も楽しみに聴いているポッドキャスティング番組のしゃべり手が、読書術の本を出しました。
矢島さんにとってのはじめての本を矢島さん風に紹介したらどうなるか、と思いついて書きはじめました。


いつもの、やや堅めの文体とちがっていて、戸惑う方もいらっしゃるかもしれませんが、今回は、このまま続けさせていただきます。
最後までおつき合いいただければ幸いです。



今回紹介する本は、ディスカヴァー・トゥエンティワン社から出ています矢島雅弘著『一冊からもっと学べるエモーショナル・リーディングのすすめ』という本です。


まずは、著者のご紹介。


矢島雅弘(やじま・まさひろ)
ナレーター・ラジオパーソナリティ
1982年埼玉県川越市出身。


2005年よりスタートしたPodcasting番組「新刊ラジオ」のパーソナリティとして、これまで約1700冊の書籍を紹介。
ビジネス書から文芸、サブカルなどさまざまなジャンルの本を簡潔に分かりやすいナレーションで解説し、支持を得ている。


また、数多くの著者・経営者にインタビューし、その気取らない雰囲気作りに定評がある。


ナレーターとしては、読書家としての経験を評価され、オーディオブック、教材などを主に担当。
モットーは『難しいことを、面白く分かりやすく』。



そんな矢島さんがはじめて書いた本の題名は、『一冊からもっと学べるエモーショナル・リーディングのすすめ』です。


ジャンルとしては、読書法、読書術に属します。


インターネットに書評を書いていると、文章法と読書法について書かれた本が気になります。


フォトリーディングなどの速読法にはなるべく近寄らないようにしていますが、それでも、僕自身、いままでいろいろな読書法に手を出してきました。


たとえば……、


本田直之さんの「レバレッジ・リーディング」
レバレッジ・リーディング    (僕の書評はこちら


平野啓一郎さんの「スロー・リーディング
本の読み方 スロー・リーディングの実践 (PHP新書)    (僕の書評はこちら


寺田昌嗣さんの「フォーカス・リーディング」
フォーカス・リーディング 「1冊10分」のスピードで、10倍の効果を出す いいとこどり読書術    (僕の書評はこちら


奥野宣之さんの「インストール・リーディング」
読書は1冊のノートにまとめなさい 100円ノートで確実に頭に落とすインストール・リーディング (Nanaブックス)    (僕の書評はこちら


大石哲之さんの「ロジカルシンキング・リーディング」
ロジカルシンキング・リーディング    (僕の書評はこちら


こうしてならべてみると分かりますが、読書法というのは、いろんな読書の仕方が、次から次と提案されているジャンルなのです。


それでは、この激戦区に、矢島さんが新しく提案した読書法、「エモーショナル・リーディング」とは、いったいどんな読み方なのでしょうか。


矢島さんは、次のように書いています。

「エモーショナル・リーディング」は、直訳すれば「感情的な読書」となりますが、より正確にいえば、「肯定的な感情で本と向き合い、ポジティブな感情で著者のメッセージを受け取る読書術」です。


本を読む姿勢は、人さまざまです。


論理的に、感情を交えずに読むことを理想としている人もいるでしょうし、懐疑的に批判的に本に向かうことを目指している人もいるかもしれません。


なぜ、矢島さんは、肯定的な感情で本と向き合うことを勧めているのでしょう。


それは、もちろん、読書を楽しむため。


せっかく本を読むのですから、いやいや読むのではなく、楽しんで読むために「エモーショナル・リーディング」が望ましい、と言っているのです。


「エモーショナル・リーディング」の目的が分かったところで、そろそろ、具体的な方法に入りましょう。


この読書術には、大きく分けて3つのステップがあります。


その1。対話読書
著者と語り合うように本を読み進めることです。
本との精神的距離を縮め、より能動的な姿勢で本と向き合いながら理解を深めます。


その2。エモーション・メモ
読書をしながら要旨や結論を記録するのではなく、「感情」をメモすることで、何が自分にとって大事なのかを認識します。


その3。エモーショナル・アウトプット
読んだ本の良いところを人に語ることで、本から得た知識が整理され、新たな発見が生まれます。



――矢島さんの「新刊ラジオ」は1回の放送が10分以上あり、このあと、さらに詳しく解説してくれるところですが、僕のレビューはそんなに長くないので、ここからは、僕の感想を書かせてもらいますね。


ひとつ目の感想は、「矢島さんと同じこと、けっこうやってる!」ということ。


読んだ本の内容を、こうしてブログで紹介しているのは、まさに「エモーショナル・アウトプット」そのもの。


矢島さんは次のように言っています。

「誰かに伝える」という前提で読了した本の内容を再確認していくと、理解はより深いものになります。なぜなら、自分の言葉で、相手にわかるように伝えるという作業は、感覚的に理解した――もしくは理解したような気になった――ことでもしっかりと言語化しないといけないからです。


読了して、「あ〜、おもしろかった」で終わるのではなく、本の内容を伝えようとすることで、理解がもっと深まる、ということです。


もうひとつ、「僕もやってる!」のが、エモーション・メモのリアクションの書き方。


矢島さんのエモーション・メモというのは、「心がグッと動いたところ」をメモする、というのが基本です。


僕はパソコンのテキストファイルにメモしていますので、
  「メモは手書きでとる」
という矢島流とまったく同じではありませんが、
  「本にマーカーは付けない」
  「本文を抜き書きする」
など、矢島さんと同じメモの取り方をしていることが分かりました。


なかでも、「そうだ!」とヒザをたたいたのが、
  (本の感想は)「あえて『話し言葉』で書こう」
という方針。(ホントはヒザを叩かなかったけど(笑))


話し言葉だと、感想をストレートに表現できるし、あとで読み返しても違和感がありません。



2つ目の感想は、「矢島さんと同じこと、けっこうやってる!」と共感したことと逆で、「おいおい矢島さん、そりゃちょっと違うんじゃない?」という感想です。


たとえば、「エモーショナル・アウトプット」について矢島さんは次のように書きました。

(エモーショナル・アウトプットには)大きな楽しみがあります。それはアウトプットした相手がその本を読んでくれることです。


この文章への僕のエモーショナル・メモは、
  「ハードル高いだろ!」
というもの。


こうして書評ブログを書いていて、いつも感じているのは、
「この本の紹介、最後まで読んでもらえるかなぁ……」
「この文章を読んで、実際に何人の人が本を読んでくれるかなぁ……」
ということです。


一生けんめい本のおもしろさを伝えたつもりでも、「あの本、読みました!」というメールがバンバン届くわけではありません。


ふつうの人は、周りの人と本の話をする機会も少ないので、「相手がその本を読んでくれる」という目標は、かなり高い目標だと思います。


そこまで高い目標にせず、
  本の話をした相手が、『その本、おもしろそうですね』と言ってくれる
くらいを目指したほうがいいと思いますよ。


以上、「そうだ」という感想と、「そうかな〜」という感想をお伝えしましたが、こうして自分の本の読み方を考える機会を与えてくれるのが本書のなによりの特長だと思います。


では、書籍情報です。


『一冊からもっと学べるエモーショナル・リーディングのすすめ』
矢島雅弘著、ディスカヴァー・トゥエンティワンより税込1,404円で発売中です。


はい。というわけで今回も「晴読雨読日記」、お別れの時間になってしまいました。
今回紹介した本、いかがだったでしょうか。


著者の文体をマネしたことはありますが、話し方をマネするのは初めての経験でした。


次回から、元の文体に戻しますからね〜。

おまけ(その1)

矢島さんの本を矢島さん風に紹介してみましたが、実は、もう、本人が新刊ラジオで取り上げています。


もちろん、矢島流の切り口でお届けしていますので、よかったら僕のレビューとどう違っているか、聞きくらべてください。
(2014年11月20日号 新刊ラジオ 第1747回 『一冊からもっと学べる エモーショナル・リーディングのすすめ』は →こちら

おまけ(その2)


《キャンペーン情報》


■購入者特典


この本の末尾に3つの特典が載っている特設ページのお知らせが載っています。


まず、無料音源のダウンロード。
特別対談 上田渉×矢島雅弘「僕がビジネス書を心から楽しめる理由」の音声ファイルです。


もうひとつは、矢島雅弘さんの有料音源の割引販売。

○その1
矢島さんが朗読したオーディオブックの割引販売。
小山薫堂著『考えないヒント』、岩井克人著『会社はこれからどうなるのか』など、ぜんぶで8冊のオーディオブックがそれぞれ2割引で購入できます。


○その2
有料コンテンツ「新刊ラジオ第2部」で矢島さんが対談した音声ファイルの割引販売。
山田真哉さん、梶原しげるさん、ほか8人の対談オーディオブックがそれぞれ2割引で購入できます。


○その3
「coming soon」ということで内容は明かされていませんが、矢島さんのセミナー音声が公開される予定です。


■著者講演会

講演名:「一冊の本からもっと学ぶためのアウトプット読書術」
日時 :12月7日(日)(16:30〜21:00(16:00開場))
場所 :ビジネスエアポート青山
    (東京都港区南青山 3-1-3 スプライン青山東急ビル6F)
参加費:1,000円(税込)
定員 :50人(先着順)
主催 :東京ライフハック研究会
申込先:→こちらです。


僕もこの講演会に申し込みしました。
終了後、別費用(3千円)で懇親会も開催されますので、よろしかったらご参加ください。