嶌信彦さんの講演会に参加しました


ジャーナリストの嶌信彦氏の講演会に参加する機会があり、テレビでおなじみの“嶌”節を2時間ちかくたっぷり聞いてきました。


この日のテーマは『これからの10年 〜世界と日本〜』。
「世界と日本」といいながら、国内が話題の中心で、おじさんたちが多かったせいか、政治の話題には特に熱がこめられていました。


現在の政局を分析するために、まず「小泉首相とはどういう人か」ということから話をはじめます。嶌氏によれば、小泉首相とはひと言でいえば任侠の人。
小泉家は横須賀で荷受をする家系だそうです。祖父の又兵衛は刺青をした議員で有名になりましたが、清水の次郎長のように義理・人情を大切にする人でした。小泉首相が最初の選挙で落選したとき、派閥の首領だった福田赳夫氏の世話になりました。任侠の言葉でいえば「ワラジを脱いだ」のですから、後に福田赳夫氏の恩義に報います。だからといって福田派を継いだ三塚派森派のためには何もしない。もちろん、福田康夫氏に報いることもない、という姿勢を貫く小泉首相は「変人」と呼ばれるようになりました。
また、任侠の人ですから、裏切った人、サカズキを返した人とは二度と付き合わない。一度決めたら、たとえ偏屈といわれても信念を曲げない。友情と政治は別と考えている、……。なるほど、なるほど。


また、今の政局の最大の関心は秋の自民党総裁選です。
嶌氏によると、次の総理候補は、谷垣、麻生、福田、安倍の4名で、今の情勢だと、圧倒的に安倍氏が有利とのこと。ただし、他の3名も指をくわえて待っているわけではなく、1月頃から本格的な戦闘がはじまっています。
政治家にとってスキャンダルは命とりですから、虚実入り混ぜた風説が流されるのはもちろんですが、政策論議や国会の論戦でもかけひきが行われるということです。
BSE問題、耐震偽装問題、ライブドア問題、皇室典範問題。どの問題で誰が話題になり、それが得点になったか、失点になったか。という目でニュースを注目してください、というのです。
たとえば、ライブドアのメール問題で武部幹事長の態度を見ていると、何だかやましい事情をかかえている、という印象をぬぐえません。(テレビというのは、そういうことが一般視聴者に見えてしまう媒体だから面白い、とも)
もし、民主党が責め方を間違わなければ武部幹事長がキズを負ったかもしれない。武部は安倍の応援団だから、武部が傷つけば安倍の失点になる、と。


ふーん、そういう見方があるんだ。
おもしろいけど、そういう目でニュースを見るなんて、何だか自分が俗物になったような気がするなぁ。自分が政治家になるわけじゃないんだから……。


なんだか、ますます新聞の政治面を見なくなりそうです。