父母の人生の体験を本に残してあげたい


2月17日の社団法人ソフト化経済センター主催「ソフトノミクス・フォーラム」で第17回ソフト化賞を受賞したのは、

昭和の記憶プロジェクト
NPO昭和の記憶 清家 ゆうほ氏 (代表理事
http://www.memory-of-showa.jp/

です。
プロジェクトの内容は「なくなりつつある昭和の生活史を作る狙いで、若い人が高齢者からの聞き取り調査を行い、さらに死蔵している写真などを収集。昭和のデータベースを蓄積。これを基にし、日本の伝統生活への復活を提唱。」と紹介されています。


受賞者のスピーチと、実際に本にまとめたサンプルを見ているうちに、漠然と考えていた心の宿題のひとつを思い出しました。
以前、沢木耕太郎の『無名』を読んだ時に、次の一節に目を引かれました。
   他人からは、その人生について、肉親以上の根気よさで聞いてい
   るのに、身内である父の話をまったく聞いていない。そこに罪悪
   感のようなものを覚えていたのだ。


私も父や母の人生体験をもっと聞くべきではないか、できれば本にでもしてあげれば喜んでくれるのではないか。というのが、私の宿題です。


以前は本を作るためにはお金がかかり、素人が手を出せるものではありませんでした。「昭和の記憶プロジェクト」もオンデマンド印刷を活用してコストを下げているとはいえ、インタビュー・原稿執筆・100冊印刷の費用が約80万円とのこと。
でも、橘川幸夫さんのオンブックのように、本のDTP印刷原稿まで自作すれば、1ページ10円程度で本を作ることも可能となってきています。ハードルは低くなってきていますから、後は私しだいということですねぇ。


そんな宿題を胸に抱えていることを、「昭和の記憶プロジェクト」のお話は思い出させてくれました。ココロが痛かったです。


とはいえ、北海道に住んでいる私の両親とは数年に一度しか会えず、いつも気ぜわしい帰省日程なので、実現しようとすると相当の決意が必要です。今回は、もう少し宿題のままにさせてもらおうと思いました。