辞めるな!キケン!!


2004年10月刊  著者:森永 卓郎  出版社:ニッポン放送,扶桑社〔発売〕
価格:\1,260(税込)  114P


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モリタクこと森永卓郎さんのラジオ番組から生まれた本です。
いろいろな理由で転職・起業を検討している人に、「会社を辞めるのはやめなさい」と訴えています。


モリタクさんは、経済評論家として「小泉内閣が続けば、日本に恐慌が起きる」なんて物騒なコメントも口にしますが、そのふっくらした体形と人格からにじみ出る“なごやかさ”も併せ持っており、私は大好きです。
本書では、ラクで面白くて、しかも給料がいいなんて仕事はどこにも存在しないのですよ、という持論を展開し、「転職してステップアップしたいなぁ…」「こんな安月給でやってられるか!」などの辞めたい理由ごとに、まあまあ頭を冷やしなさい、とアドバイスしています。
最後には、
  会社を辞めたくなったら十まで数えよ。
  うんと辞めたくなったら百まで数えよ。
と結んだ本書を読めば、たいていの人は思い止まるに違いありません。


もともと私は会社を辞めるつもりはなく、モリタクさんのファンとして新著を手にしただけなのです。辞めろと言われても辞めませんよ!
モリタクワールドを堪能したあと、編集部でまとめた巻末のデータ編を読みました。アンケートの集計データなのですが、これはめっけもんです。
会社を辞めようと思ったことがありますか? には88.3%が「ある」と答えています。(私は11.7%の少数派に属します)
特におもしろかったのは、実際に転職・起業した人で後悔している人の分析です。
詳しいデータは本書を見ていただくとして、注目は「安月給」で辞めて後悔している人の43%は「年収が下がった」と思っていること。また、「人間関係のトラブル」で辞めて後悔している人の40%は、転職後も「人間関係」で悩んでいます。まるで、辞めた理由が転職後も追いかけてくるような結果です。「安月給」と「人間関係」に悩む人は同じ悩みと付き合う宿命になっているのでしょうか。


最近、友人から「会社やめようかなー」というメールをもらいました。この本の内容を紹介し、辞めるはやめたほうがいい、と返信しましたが、やはり、こういう話は肉声で話さないと通じないかもしれませんね。
私は貧乏を経験してますから、「年収ダウン」のきっかけになる転職は絶対に反対です。
おーい、マサ、冒険するなよ〜!