女子大生会計士の事件簿4

2004年10月刊  著者:山田 真哉  出版社:英治出版  価格:\998(税込)  189P


女子大生会計士の事件簿4


小説仕立ての事件を読んでいるうちに知らず知らずに会計の知識が身に付く、という本書の推薦文をみかけました。
そういえば、難しそうなことをマンガで分りやすく解説する、という本が一時流行していましたねぇ。石ノ森章太郎の「マンガ日本経済入門」がベストセラーになり、私もこの本を読んだおかげて「MOF担」なんていう言葉を覚えました。だからといって何か役に立ったわけでもないのですが、大蔵省職員への過剰接待が問題になった時、「あっ、知ってる。接待した銀行の担当者のことをMOF担っていうんだよな〜」と、少しだけ嬉しかったことを思い出します。


「経済」とか「会計」というのは、やはり、少しでも「分ったつもり」になりたいものですが、本格的な教科書はシロートには手が出しにくいものです。
ということで、薄い新書で取り付きやすいことが魅力だったので、手にとってみました。

この本は「女子大生会計士」シリーズの4冊目。マンガにもなっているそうです。人気があるんですね。
現役女子大生なのに会計事務所職員で法人の監査をしている、という設定には、「おいおい、いつ大学に行っているんだよ」とツッコミを入れたくなりますが、ともかく主人公の萌美(この名前もコテコテですねぇ)は何でも解決してしまうスーパー公認会計士で、30歳の「僕」といっしょに事件に遭遇していきます。
お勉強マンガみたいなものですから、あまりストーリーの面白さを期待していませんでしたが、予想に反して結構読ませます。特に会社の乗っ取りを阻止しようとする「企業買収ラプソディー事件」の当事者の息詰まる応酬は、まるで高杉良経済小説のようです。(ちょっと褒めすぎ?)
この事件の解説で第三者割当増資、公募増資、株主割当増資なんていう言葉も覚えました。


あまり期待していなかった分だけ、とても面白く読ませていただきました。