女子大生会計士の事件簿 5巻,6巻


著者:山田 真哉  出版社:英治出版  2007年12月刊  各巻\998(税込)  189P


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山田真哉さんが『さおだけ屋……』で有名になるまえ、この女子大生会計士シリーズの4巻を読みました。
現役女子大生が公認会計士として数々の事件を解決しながら、会計のしくみを分かりやすく教えてくれる、という会計入門書でした。


主人公の名前が「萌美」とコテコテで、「おいおい」と思わず突っ込んでしまいましたが、ミステリー仕立てのストーリーに引き込まれるうちに、難しそうな会計用語も知らず知らず学べてしまう。文字どおり、一石二鳥のオイシイ本でした。(2004年のブログ参照


『さおだけ屋……』の大ヒットのあと、『つまみ食い「新会社法」』、『食い逃げされてもバイトは雇うな』など、一般うけする「わかりやすい会計の本」の執筆にはげんでいた山田さんでしたが、久々にこの女子大生会計士シリーズにもどってきました。



さあ、3年ぶりの第5巻はどんな内容でしょう。


今回は新しい準レギュラーが登場します。
このシリーズの副主人公(または語り部、もしくは狂言回し役)であるカッキーの前に、ある日、美人会計士「村咲 紫」さんが登場します。(本人は「むらさき ゆかり」と名乗りますが、これじゃ「むらさき むらさき」と読むしかないでしょうが〜!!)


この紫さん、大金持ちのお嬢さんという設定で、ふつうの人は入り込めないお金持ちのパーティーに出席したりします。おかげで事件解決の糸口をつかんだりするのですが、どうにも行動があやしい。
とうとうカッキーに打ち明けた話によると、実は紫さんは世界の4本の指に入る会計事務所から送り込まれてきた覆面査察官らしいのです。


しかも、主人公の萌美にインサイダー取引の疑いがかかっていると聞き、紫さんの色じかけにメロメロになっていたカッキーはショックを受けます。


折りも折り、因縁の監査先の社長を直撃する大事な場面に、意外な人物が登場します。
その意外な人物とは……。


6巻で明かされる、意外な人物の正体と紫さんとの結末は、ナイショにさせていただきます。


さて、第1巻を出してから5年も続いてきたシリーズを締めくくるにあたり、第5巻の「番外ファイル」では、登場人物たちが最終回のアイデアを出し合います。
月9ドラマも真っ青になるようなベタな締めくくり案が出たかと思えば、「萌ちゃんが死んじゃうほうが感動的でいい」とか、夢オチがいいとか、みんな勝手なことを提案します。
グダグタになって解散してしまいましたが、第6巻で、やはりほんとうの最終回がやってきました。


もちろん、最終回の内容もナイショ。


第6巻の裏表紙に載っている萌美さんのつぶやきを引用して終わりにしましょう。

萌美「この最終回って、ちょっと不満があるのよねー」
カッキー「えっ、なにをいまさら!?」
萌美「だって、まあ妥当っていうか、想定の範囲っていうか……」