2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

キャパの十字架(その9)

(承前) キャパの自伝を翻訳したあと、「崩れ落ちる兵士」の真贋問題が気にかかっていた沢木は、いつか実際にスペインへ行って取材をしたい、と思いつづけていた。だが、オリンピックやサッカーワールドカップの取材でヨーロッパへ行く機会はあっても、取材…

キャパの十字架(その8)

(承前) 以上、長々とキャパと沢木耕太郎についての前置きを書かせてもらった。 いよいよ、本書の紹介をはじめることにする。

キャパの十字架(その7)

(承前) 1986年、沢木はキャパの伝記翻訳の依頼を受ける。 自分の英語力に自信はなかったが、日本の誰よりも先にキャパの伝記を読んでみたくて引き受けた。同時にキャパの初の決定版写真集の翻訳もまかされ、キャパの写真を細密に見ながら翻訳をすすめた。

キャパの十字架(その6)

(承前) キャパと僕の“付きあい”、沢木耕太郎と僕の“付きあい”について、前置きが長くなってしまったが、もうひとつ、キャパと沢木耕太郎の“付きあい”についても述べておこう。

キャパの十字架(その5)

(承前) 学生時代の読書が小説中心だった反動なのか、社会人になってからはノンフィクションに手をのばすことが多くなった。 柳田邦男や立花隆などの売れっ子だけでなく、知る人ぞ知る鎌田慧や竹中労の作品も読んでみた。知られていない事実を掘りおこしま…

キャパの十字架(その4)

(承前) 沢木耕太郎とのつきあいは、キャパより少しだけ短い。 最初に読んだのが1984年で、キャパの『ちょっとピンぼけ』読了の2年後だった。 僕の本棚にある沢木耕太郎著作を開いてみたところ、『地の漂流者たち』の最後のページに、「'84 5/5(土) 青函連…

キャパの十字架(その3)

(承前) 久しぶりに本棚からキャパの本と展示会カタログを取り出してみたら、それぞれ、新聞記事の切りぬきが挟まっているのを見つけた。 ひとつは、『ちょっとピンぼけ』文庫本に挟んであった朝日新聞の記事。「『崩れ落ちる兵士』身元判明」との見出しで…

キャパの十字架(その2)

(承前) 世界的に有名な写真家となったキャパの作品は、日本でも数年に一度展示会が開かれている。 その中のひとつ、1997年に新宿三越美術館で開催された「ロバート・キャパ全作品展」は、「第1部 大戦への兆し」、「第2部 戦禍への挑戦」、「第3部 愛と…

キャパの十字架

著者:沢木 耕太郎 出版社:文藝春秋 2013年2月刊 \1,575(税込) 335P ご購入は、こちらから ノンフィクションの大御所、沢木耕太郎の最新刊で、戦場写真家の元祖ロバート・キャパの作品についての謎解き本である。 ロバート・キャパも、沢木耕太郎も、僕にと…

マリガンという名の贈り物

副題:人生を変える究極のルール 著者:ケン・ブランチャード ウォリー・アームストロング 秋山隆英/訳 出版社:創元社 2013年2月刊 \1,260(税込) 214P ご購入は、こちらから 出版社さん、編集者さん、著者さんから書籍をお送りいただく機会が増えましたが…

戦略おべっか

著者:ホイチョイ・プロダクションズ 出版社:講談社 2012年7月刊 \1,000(税込) 127P ご購入は、こちらから 信長や秀吉のような能力の高い人間は、やるべきことが多くて忙しい。忙しいゆえに、すぐに自分の助けとなる即効性のあるサービスを常に必要としてい…