副題:もし、滅亡寸前の戦国領主をまかされたら
著者:鳥原 隆志 出版社:PHPエディターズ・グループ 2012年8月刊 \1,575(税込) 334P
出版社さん、編集者さん、著者さんから書籍をお送りいただく機会が増えましたが、せっかくお送りいただいても、僕の読書スピードが追いつかず、レビューしきれません。
せめて、書名と内容の概略を紹介させていただきます。
「インバスケット」というのは、1950年代にアメリカ空軍で生まれたトレーニングツールで、架空の役職・人物になりきって制限時間内に多くの案件処理を行なう一種のビジネスゲームです。
著者の島原氏は、会社員時代に受けた管理職試験ではじめてインバスケットに出会い、衝撃を受けました。重要な問題はもちろん一見すると簡単な問題まで雑多な案件が与えられ、制限時間内に処理しなければなりません。しかも、的確に。
全身からも脳からも汗が噴きだしそうなトレーニングに魅せられた島原氏はインバスケットの研究を開始し、とうとうその名も「株式会社インバスケット研究所」を設立してしまいました。
2年前、鳥原氏が最初にインバスケットの書籍を出版したとき、この新しいトレーニングの面白さに注目して、僕もレビューを書かせてもらいました。(『インバスケット思考』書評参照)
その後、何度も献本を送っていただいているのですが、なかなか紹介できません。今回、10冊目のインバスケット本が出版された、ということなので、最近の3冊をいっぺんに紹介させてもらいます。
1冊目は『戦略思考が身につく戦国武将のインバスケット』です。
【本書の内容(アマゾンの内容紹介より)】
ビジネスマンが戦国時代にタイムスリップ! 戦国武将から「戦略思考とは何か?」「戦略と戦術の違いとは何か?」を学ぶ、今までになかった日本初の時代劇型ビジネス書。
今、ビジネスパーソンに話題のインバスケット・ゲームで、「戦略思考」があっという間に身につきます。
化粧品会社の営業からブランド戦略室に異動を言い渡された荻方正幸。
「三カ月で売上が20%上がるブランド戦略を立てろ」との命令を実行できずにいたある日、地下鉄の事故に遭遇し、非常階段から外に脱出した。
なんと、そこは戦国時代の信太という国だった。
その領主となって、敵国からの要求、自国内のトラブルなど、60分で20の案件を片づけなければ、現代に戻れず、生き残れない――。
次々と起こる難題をどう乗り切るか? 彼を待ち受けるのは生か死か?
組織戦略、ゲーム理論、人事・教育戦略、統制力など、リーダーに必要な能力を磨くシミュレーション・ゲーム。
続いて、2冊目。
本番5分前!絶体絶命な彼らの華麗なる決断
副題:バタバタ状態を乗り切るインバスケット思考
著者:鳥原 隆志 出版社:WAVE出版 2012年11月刊 \1,470(税込) 247P
【本書の内容(アマゾンの内容紹介より)】
「ケーキのたま」従業員の柴田奈々と仲あゆみは軽音楽バンド「ミラクル」のデビューコンサートをひかえ、練習に励む日々を送っていた。
しかし、チケットの売上金を渡したイベントプロデューサーと突然連絡がとれなくなり、コンサートの開催自体が危ぶまれる事態に直面する。
なんとか迎えたコンサート当日、開演60分前。
次々とふりかかる難題、窮地に陥るメンバーたち。
はたして奈々とあゆみは、ステージに立つことができるのか?崖っぷちメンバーの奮闘物語。
どんなときも冷静に判断して行動できる力「インバスケット思考」で、ピンチを乗り切る。
通算10冊目は、初めての新書です。
インバスケット実践トレーニング
副題:一瞬で正しい判断ができる
著者:鳥原 隆志 出版社:朝日新聞出版(朝日新書) 2013年3月刊 \798(税込) 219P
【本書の内容(アマゾンの内容紹介より)】
限られた情報を元に判断を下す力を試すバーチャルビジネスゲームとして話題の「インバスケット」。
一流企業の昇進試験にも多く採用されています。
「会議10分前、10通の未開封メール」
「売れ筋商品の売上が急落したら」
「取引先への企画書のミスが締切直前に発覚」
「開発中の商品が微妙と気づいたら」
「前任者が残した不良在庫をどうするか」
本書は上記のようなリアルな場面設定の36問を解くことで優先順位設定力、問題発見力、意思決定力など仕事の現場で求められる9つの力が試され、あなたの仕事での「弱点」がわかります。
また、問題がそれぞれ独立しているので、 ちょっとしたスキマ時間があれば、好きな場所で質とスピードを備えた判断力を高めることができます。
【目次】
第1章―現場で成果を出すインバスケット入門
●インバスケットとは
●インバスケットが注目される理由
●インバスケット的な思考
第2章―判断力を高めるインバスケット36問
プロローグ
A―優先順位設定力
B―問題発見力
C―問題分析力
D―創造力
E―意思決定力
F―洞察力
G―組織活用力
H―当事者意識
I―ヒューマンスキル
エピローグ
第3章―1割の行動を変えれば成果も変わる
●できていない自分を真摯に見る
●すべてではなく一部を変える
●良い判断ができる人は報酬が上がる