奇跡の営業所


著者:森川 滋之  出版社:森川 滋之  2009年3月刊  \1,260(税込)  173P


奇跡の営業所    購入する際は、こちらから


営業未経験者のよせ集め営業所が日本一の売り上げを達成するまでの物語です。
あらすじを紹介します。


雇われ営業所長が赴任したのは、営業経験者が一人もいない営業所でした。
大口をたたくだけで実力の伴わない若者や、日本語がたどたどしい帰国子女、息子の教育費のため仕事しているが法人営業はしたくないという主婦など、役に立ちそうもない、それでいて個性的な面々が揃っています。
やり手営業マンだった所長は、自分の開発した営業ツールを伝授しながら、個性に合わせた指導をしていきます。
それでも売り上げが伸びず営業所廃止の危機に直面したとき、メンバーが起こした行動とは……。


もっと詳しく知りたい方は、『奇跡の営業所』著者オフィシャルサイトというのがありますので、こちらをご覧ください。


ビジネス・ストーリーとしてありふれた設定のように見えますが、本書は読み応えのある短編に仕上がっており、読者を惹きつける要因がいくつも散りばめられています。


その1。
実話に基づいていること。
本書は吉見範一氏という実在の人物と、吉見氏が所長として赴任した実在の営業所をモデルにしています。


吉見氏は「売ることをあきらめる」営業、肩の力を抜いた営業でトップセールスマンとなりました。その後「新規開拓の神様」として営業ツール専門のコンサルタントをしておられ、『「売れる営業」のカバンの中身が見たい!』という著書を2年前に出版しています。



その2。
個人成績重視の営業ではなく、人の役に立てる、仲間の役に立てると確信した営業スタイルが成功をもたらしていること。



その3。
主人公たちから熱意と感動が噴出していること。
著者の森川さんがモデルの吉見さんの話を聞いて感動した様子が伝わってくること。
もひとつおまけに、担当編集者までもが感動のあまり涙を浮かべながら本書を編集していたこと。



そうです。本書は、感動の熱病にうなされた人々が世に送り出した熱風なのです。


熱風には発生源があります。
森川さんがエピローグで明かしている発生源は、私の大好きな大好きな福島正伸さんでした。


福島さんは「日本を変える著者の一人です」と森川さんのことを絶賛しています。


人をはげます名人の福島さんには、数々の名言がありますが、本書の主題のひとつは、福島さんの次の言葉です。


  「万策つきたとき、あきらめないという選択肢がある」


福島さんの熱病が伝播して生まれた本書は、福島さんの『どんな仕事も楽しくなる3つの物語』、『仕事が夢と感動であふれる5つの物語』の番外編――弟子たちがつむぐ感動の物語集第1弾――と位置づけることができるでしょう。
第2弾も きこ書房の感動編集者さんが担当かな(笑)


少し疲れた営業職の方にお勧め。
「あきらめない」ことを大切にしたい方にお勧め。
人の役に立てることやチームワークを大切にしたい方にお勧めです。


もちろん福島正伸ファンには必読の書です。