仕事が夢と感動であふれる5つの物語


著者:福島 正伸  出版社:きこ書房  2008年11月刊  \1,575(税込)  142P


仕事が夢と感動であふれる5つの物語 (講演CD付)    購入する際は、こちらから


「メンター」ということばがあります。
正確な定義は知りませんが、「導いてくれる人」「尊敬する人」という意味で使われていて、「お師匠さま」がいちばん近いニュアンスと思います。


私が書評をかきはじめるきっかけになり、背中を押してくれたメンターは松山真之助さんです。その松山さんからいただいた本が『メンタリング・マネジメント』という福島正伸さんの本で、メンターの持つ大きな力を教えてくれました。
福島さんの講演会にはじめて参加したのも、松山さんが主催する「ジェイ・カレッジ」で、お話の内容はわすれてしまいましたが、聞くだけで元気になる福島さんのお話に魅了されたことをおぼえています。


本書は、福島正伸さんの最新刊。
4月に同じ「きこ書房」から出た『どんな仕事も楽しくなる3つの物語』の続編です。


本の内容に入るまえに、6月に参加した福島さんが塾長をつとめたセミナー発表会のことを書かせていただきます。


福島さんをメンターと仰ぐ大嶋啓介氏(『てっぺん!の朝礼』著者)の呼びかけで、昨年桑名市で「夢を叶える塾」がスタートしました。
お互いの夢を語り合いながら、他の参加者の夢の支援もするという、福島さんならではの育成スタイルをもっている塾で、1年間のセミナーの総仕上げとなるのが、市民会館大ホールを借り切った発表会です。
やはり松山真之助さんつながりで知り合った「多夢郎」さんが発表メンバーに選ばれたと聞き、私も名古屋への出張日程を調整して参加することにしました。


開場を待っていると、ちょうど福島正伸さんが通りかかります。
出迎えるスタッフに「来ましたよー!」とにこやかに声をかけ、関係者出入り口に消えていきました。


せっかく遠くから来たのですから、なるべく前の方に座ろうと思い、関係者席・来賓席のすぐ後ろ――前から4列目に席を確保しました。
その関係者席に続々と集まってくる人たち、かなりのハイテンションです。たぶん「若き経営者」の塾生なのでしょう。席につく前に、先に来ていた人と握手したり、ハイタッチしたり、なかにはハグハグする人もいました。髭をはやした人も多い「いい大人」世代が、まるで学生のようなノリで、一種異様な雰囲気(笑)を漂わせています。


福島さんが司会役で登壇し、いよいよ9人のプレゼンテーションがはじまりました。


自分の夢を突きつめて考える、夢の根源をたどるということは、自分の人生をふり返ることとイコールのようです。
自らのトラウマと向き合うような発表が続き、プレゼンターに共鳴した人たちのすすり泣きが、会場のそこここから聞こえてきました。


登壇者が異口同音に語っていたのが、家族の絆。
親や我が子への思いです。


若くして亡くなった母に、今の自分を見てもらいたかった。
自分の開店資金のために全財産を投げ出してくれた父親に、もう少し生きていてほしかった。
自分の娘には、もっと夢のある人生を歩ませてやりたい。


一つひとつは平凡そうな夢も、発表者が自分と向かい合い、仲間と話しあいながら見つけた「夢」には、熱い思いがこめられていました。


本書の「5つの物語」を読んで、4ヵ月まえに参加した発表会を思い出しました。


本書に登場する5つのお話は、福島さんのセミナー受講生や企業研修で出会った人々の実話です。
「仕事が夢と感動であふれる5つの物語」というだけあって、困難な状況のなかで「夢」をあきらめずに進んだ人、家族や仲間のはげましを素直に受け止められるようになった人など、人間としてたいせつなことに気づかくれる逸話がならんでいます。


第2部の、「どうしたら夢が見つかるのか」、「どうしたら夢がかなうのか」についての福島さんの解説を読んでいると、今の環境のままでもっともっと充実した人生を歩めそうな気がしてきます。


嬉しいことに、本書には福島さんの講演会の録音CDが付いています。前著『どんな仕事も楽しくなる3つの物語』の出版記念講演会の一部を30分だけ録音したものです。


「すべての人に生まれてきた理由があります」


心にひびく福島さんの言葉を、ご自身で受けとめてみてください。

10月30日追記


本書を編集担当した「きこ書房」のTさんを紹介いただいた smooth さんも、ブログ「マインドマップ的読書感想文」の10月29日エントリで福島さんの新刊を紹介しています。


smooth さんのブログには、3種類のキャンペーン動画も貼り付けてありますので、ご参考にしてください。