出版社:本の雑誌社 2009年3月刊 \530(税込) 112P
あまり「本の雑誌」の経営が思わしくないと聞いたので、応援のつもりで買い求めた。
前回買ったのがたしか「雲がむくむく麦茶号」だった。ググってみたら「雲がむくむく麦茶号」は1993年7月発行のNo.121らしい。「ソラマメぶんまわし号」がNo.309だから、15年ぶり188号ぶり。ごぶさたし過ぎでしょうが〜。
15年前と同じく、知っている本がない。
100ページ目に掲載図書索引というのが載っているので、目を皿のようにして探したが、……やっぱり、ない。
かろうじて題名だけ知っているのが、ピエール・バイヤール著の『読んでいない本について堂々と語る方法』と、これから読もうとして手にしたばかりの井原万見子著『すごい本屋!』の2冊だけ。
やっぱり、生半可な読書人は近づいちゃいけなかったかな……。
追い打ちをかけるのが『読んでいない本について堂々と語る方法』の書評。
ちょっと引用する。
諸兄皆様におかれましては、「バートルビーと仲間たち」エンリーケ・ビタ=マタス(新潮社)を読む前に、メルビィルの「バートルビー」を読んでいない者など想像できない、まずメルビィルを読んでいないこと自体がありえないではないか、無論、ジョルジョ・アガンベンの「バートルビー 偶然性について」(月曜者)を読んでいない者などいないだろうね、原著で、と仰る方ばかりであろうと拝察する次第で御座いますが、すいません。「仲間たち」しか読んでいません。日本語で。
何が何だから分からん!
「読んでいない本」を堂々と語る前に、少なくとも読んでいない本の書名くらい知っていなければならない。その最低条件を満たしていないようでは、この本を読む資格もなさそうだ。
83ページの読者の声の一文にも打ちのめされる。いわく、「昔のマニアックな「本の雑誌」より、今のほうが好きです」
ダメだ、こりゃ!!
経営危機を1月号で表明したのは事実らしく、「ガンバレ!!」という読者の声もたくさん取り上げていた。
諸兄皆様におかれましては、定期購読を申し込んで応援しない者など想像できない、と仰る方ばかりであろうと拝察する次第で御座います。