副題:ここちいい関係になれる14のルール
著者:林 恭弘 出版社:総合法令出版 2005年6月刊 \1,365(税込) 220P
松山真之助さんが主催するジェイカレッジという講演会があります。
過去14回のうち私も3回参加させていただき、どの回もすばらしい講演を聞かせていただきました。
これからも参加しようと楽しみにしています。
(もう第15回、16回、17回と講師と日程が発表されていますので、ご興味がありましたら、 こちらを参照ください)
松山さんの推薦を参考に本を選んでいる影響でしょうか。第15回講師の田坂広志さんも、第17回講師の西出博子さんも、既に著書を読んでいて、ひとあし先に他のセミナーで著者サインもいただいてしまいました。
残りの第16回の講師を読むと、4回連続制覇(笑)になります。
じゃ、第16回講師はどんな人かな、と手に取ったのが本書です。
本書は心理カウンセラーとしての経験をもとに、うまくいっている夫婦のコミュニケーションのしかたを伝授する一書です。
著者の林さんは日本メンタルヘルス協会心理カウンセラー・講師です。カウンセリング活動の他、心理学ゼミナール講師、企業・学校・各種団体を対象とした講演会・研修会講師としても活動しておられるそうです。
先日取りあげた『局アナ安住紳一郎』も恥ずかしかったですが、この本も気恥ずかしいタイトルです。
なんだか、「自分は、夫婦関係で悩んでますよ」と宣言しているみたいで、電車の中で背表紙を見られるのもイヤですが、何より、カミさんに見られたくない。
ところが、林センセ、
「この本はぜひ夫婦二人でまわし読みすることをお薦めします」
とおっしゃっておられますよ。
何でも、お互いに気になった箇所にアンダーラインを引いて、それをお互いに見ることで、相手がどんな心の状態で、何を求めているかがわかる、とのこと。
のっけから難しそうな提案をしておられますが、そこは無視して、中に入りましょう。
著者はカウンセラーですから、夫婦関係についても様々な相談を受けます。しかし、著者は細木数子ではありませんので、ああしなさい、こうしなさいと答を与えることはありません。
カウンセリングで大切なことは、相談者自身が自分の心を知ることです。
夫婦の問題にあてはめると、
「自分は相手にどんなことを期待しているのか」
「期待がかなわなくて、自分はどんな気持ちになっているのか」
ということからスタートします。
自分の心を知った次は、相手にその思いをどうやって伝えるか、というコミュニケーションの問題になります。
ところが、相談者に、
「……では、ご主人に『このごろ帰りが遅くて、ずっと話せていない
ので不安だし、さみしい』と打ち明けられたらいかがでしょうか?」
とアドバイスすると、ほとんど
「えっ!? さみしい!? そんなこと言えるわけないでしょ!」
という反応がかえってくるそうです。
なぜ言えないか、理由をたずねると、
「だって、さみしいなんて言ったら主人に“負け”でしょ!」
夫婦で「勝負」をしていることが、何より問題みたいですね。
第1部に、
夫が動いてくれる「ちょっとした一言」14のルール
妻が動いてくれる「ちょっとした一言」14のルール
第2部に、
子どもが育つ「ちょっとした一言」24のルール
ゆったりとした林先生のお話を聞くだけで、ちょっと心の余裕ができるような気がする本でした。
夫婦関係に本格的に悩んでいる人よりは、「まあまあうまくいっている」という方にこそお薦めです。
きっと、もっとうまくいくヒントがありますよ。