お義父さん


著者:はなわ  出版社:KADOKAWA  2017年12月刊  \1,350(税込)  222P


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毎週月曜よる7時から日本テレビ系列で放送している「有吉ゼミ」というバラエティー番組がある。


番組名に「有吉」と付いているとおり有吉弘行が司会進行する番組だ。
有吉弘行は毒舌で知られているが、ゴールデンタイムなので全く毒を吐かない。


芸能人のロケを中心に放送している番組のなかで、お笑いタレントの「はなわ」家族の日常を取材したコーナーが面白く、我が家でも「はなわ」一家が出る回を楽しみにしている。


ご存知ない方のために「はなわ」氏を簡単に紹介する。


はなわ」は1976年生まれで、現在41歳のお笑いタレント。
頭のてっぺんの髪の毛を金髪に染めて固め、オニの角のように突きだした独特のヘアースタイルで、エレキベースを弾きながらコミックソングを歌っている。


出身地の佐賀県をおちょくった「佐賀県」という曲が2003年に大ヒットし、紅白歌合戦にも出場した。


「ヤホーで調べました」を持ちネタにしているお笑いコンビ「ナイツ」ボケ役の塙宣之はなわのぷゆき)は、実の弟である。

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久米宏です。


副題:ニュースステーションザ・ベストテンだった
著者:久米 宏  出版社:世界文化クリエイティブ  2017年9月刊  \1,728(税込)  337P


久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった    ご購入は、こちらから


ニュースステーション』や『ザ・ベストテン』の司会者を務めていた久米宏アナウンサーの書いた回顧録である。


TBSに入社し、アナウンサーの仕事をはじめてから50年という節目に、自分のアナウンサー人生をふり返り、嬉しかったこと、苦しかったこと、番組作りで工夫したこと等をサービス精神たっぷりに語っている。

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無念は力


副題:伝説のルポライター児玉隆也の38年
著者:坂上 遼  出版社:情報センター出版局  2003年11月刊  \1,836(税込)  415P


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児玉隆也という伝説のルポライターの生涯を辿った評伝である。


児玉隆也」という名前を知っている人は少ないと思うので、本書の内容に入る前に、今日は長い前置きを書かせてもらう。

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平成のビジネス書


副題:「黄金期」の教え


著者:山田 真哉  出版社:中央公論新社  2017年8月刊  \886(税込)  261P


平成のビジネス書 - 「黄金期」の教え (中公新書ラクレ)    ご購入は、こちらから


副題は「『黄金期』の教え」だが、帯に「なぜ栄え、衰えたのか?」というキャッチコピーが大きく書いてある。
そう。本書は平成のビジネス書盛衰記! なのだ。


僕の書評はジャンルを問わず「ココロにしみる」という切り口でお届けしているので気づかなかったのだが、「ビジネス書」というジャンルは、2000年〜2010年頃までよく売れていて「黄金期」といっていい時代だったそうだ。


書籍・雑誌の売上高はご存じの通り、この20年下がり続けている。2016年にはピーク時(1996年)の45%まで下がっていて、出版業界は大変なことになっているのだ。


ところが、「経済」「経営」ジャンルの書籍は、1997年に推定発行部数1,206万部だったのが2002年に1,600万部を突破して、このジャンルだけ右肩上がりになる。勢いは約10年続き、2009年に1,752万冊のピークを迎えたあと下降期に入った。


同じ出版業界なのに、なぜビジネス書は2000年代によく売れたのか。そして、2010年代に失速してしまったのか。


「はじめに」で大きな問いをなげかけ、本書は第I部「書評編」に突入する。

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宝くじで1億円当たった人の末路


著者:鈴木 信行  出版社:日経BP社  2017年3月刊  \1,512(税込)  357P


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日経ビジネスオンラインの本書特設ページに、
「あっという間に7万部突破」
と載っている。


著者が村上春樹又吉直樹だったら驚く数字ではないが、本の売れない昨今で「7万部」は「ベストセラー」と言っていい売れ行きだ。


これだけ売れると、「面白かった」という反響だけでなくクレームも多いらしく、この本の特設ページには、「題名だけで勘違いしている人」に向けて、「この本はそういう本じゃありませんからね〜」とお断り文を載せている。
このお断り文が結構おもしろいので、特設ページのQ&Aの内容を先に紹介する。

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七帝柔道記


著者:増田 俊也  出版社:角川書店  2013年2月刊  \1,944(税込)  580P


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著者の増田俊也氏は「このミステリーがすごい!」大賞の優秀賞受賞者で、『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』で世間の注目を集めた小説家、らしい。


あまりスポーツ系の本を読まない僕には縁のなかった作家だ。
なのに、この本を読むことになったのは、先輩から「おもしろいぞ〜」と勧められたからだ。


勧めてくれた先輩と僕は、大学2年生の時に出会った。


先輩は、格闘技が大好きで、プロレスの技の名前が会話の中にポンポン飛び出してくるような人だった。


卒業後に入社した会社にもその先輩は一足先に入社していて、同じソフトウェアプロジェクトに参加していたこともある。


3ヶ月前から、また同じオフィスで仕事するようになったその先輩から、「おい、浅沼。この本面白いぞー」と勧められたのが本書である。


もう40年以上の付き合いなのに、本を勧められたのは初めてだ。格闘技系の本は読んだことがないが、まずは読んでみることにした。

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