著者:橘川 幸夫 出版社:バジリコ 2010年1月刊 \1,260(税込) 174P
承前。
「林塾」に参加したときの話を前回紹介した。
別名「森を見る会」には、悲しい後日談がある。
分科会の座長をつとめていた信國乾一郎さんが昨年末に亡くなった。まだ44歳だったそうだ。
信國さんとは、メーリングリスト終了後に1度お会いしたきりだったが、橘川さんと信國さんのつながりは深い。
橘川さんは信國さんに、「おまえは弟子だ」と宣言したことがある仲だ。
共通の知りあいから、信國さんが入院したという連絡が橘川さんに入ったそうだ。
信國さんが亡くなる一週間前、橘川さんは病院を尋ねた。「林塾」で気になっていた話題について語り合いながら、橘川さんは弟子が闘病する姿にほとんど泣きそうになったという。
あまりに若い弟子の死に接し、橘川さんは心のこもった追悼文を一気に書き上げた。
一対一の関係を、しっかり紡いでいくとはどういうことなのか。自分自身の行動で答えを示すような文章は、ただ感じ入るしかない。
信國さんと直接会ったことがない人も、ぜひ橘川さんの追悼文を読んでみてもらいたい。