この講演、ビジネス書にすると売れるかも?


プロジェクトマネジメント学会の「2011年新春PM特別セミナー」を聴講してきた。


このセミナーは、プロジェクトマネジメントの最新の動向を紹介しようというマジメな行事である。


1つ目のセッションは、トヨタ生産方式の「なぜなぜ5回」をプロジェクトに適用しようという試みを報告し、2つ目のセッションではソフトウェア開発でどんなプロジェクトマネジメントの課題があるかを整理・報告した。


つづく3つ目のセッションが素晴らしかった。なんと、日本ハムファイターズの事業部長の成田竜太郎氏が登場し、北海道移転の事情やらチーム活性化の工夫やらを、裏ばなしを交えて披露してくれたのだ。(講師写真つきのセミナー内容紹介パンフは こちら


専門家でも寝てしまいそうなテーマのあとに、一般人の興味も十分集められるおもしろい話が聞けるとは思っていなかった。


内容もおもしろいし、話もうまい。
この講演、ビジネス書にすると売れるんじゃない? と感心してしまった。


せっかくなので、オフレコ部分を割愛して、印象に残ったポイントを紹介させていただこう。

  • プロ野球の選手として球団と契約できるのは、日本の12球団合計で約900人の狭き門。
  • 人生の4割は自由時間で、これは睡眠時間より多い。野球は、この4割をターゲットにしたビジネスのひとつ。
  • 企業が球団を所有する理由はいくつかあるが、かつては親会社の広告宣伝の意味あいが強かった。
  • 地方の食品会社だった日本ハムは、球団を買収したことによって、いまや1兆円企業に成長した。球団は広告宣伝の役割を十分に果たしたいってよい。
  • チーム成績が悪く、が首都圏に5球団がひしめく状態では、これ以上のメリットを上げることが難しく、地方への移転を真剣に考えるようになった。
  • 移転候補地は、北海道の他に3箇所あった。(3箇所の具体的地名は、たぶんオフレコなので割愛する)
  • 移転後、新庄剛志稲葉篤紀を獲得し、チームの知名度アップを図ったが、他には大型補強はしていない。
  • 強いチーム作りのために、いくつも対策を講じた。意外かもしれないが、一番力を入れ、一番効果があったのは「最後まで諦めずに戦う姿勢」を徹底すること。
  • ふつうのプロ野球選手は、あまり無理をしない。内野ゴロを打ってしまったら、1塁まで走るのを諦めてしまう。それを高校野球のように全力疾走するよう意識改革した。
  • この「最後まで諦めずに戦う姿勢」を受け入れてくれない選手は、どんなに能力があっても他球団に行ってもらった。(誰とはいわないが……、と言いながら某○○選手の名前を口にしていた。オフレコにつき割愛)


いや〜、おもしろい講演だった。


ナイター中継がなかなかテレビで放送されなくなったが、プロ野球のファンはまだまだ多い。
僕もノムさんの『野村ノート』を5年前の読書ノートで紹介したし楽天イーグルスの球団社長の島田亨氏が書いた『本質眼 楽天イーグルス、黒字化への軌跡』4年前の読書ノートで取り上げた
また、島田亨氏は、昨年も『楽天野球団のシークレット・マネージメント』を出したし、楽天イーグルスの創業メンバーだった南壮一郎氏から『絶対ブレない「軸」のつくり方』の献本も頂戴している。(スミマセン。まだ読んでません (^_^;)


成田さんの話もあれだけ面白かったんだから、本にしてみればいいのに。
編集者さん、いかがですか?