いつも君のそばにいるよ


副題:スターリィマンが贈る、夢を叶える9つの風船の物語
著者:はせがわ芳見/著 はせがわいさお/絵
出版社:学研パブリッシング  2012年12月刊  \1,260(税込)  125P


いつも君のそばにいるよ―スターリィマンが贈る、夢を叶える9つの風船の物語    ご購入は、こちらから


先週の土曜日、「祝 佐藤伝100万部突破!記念交流会」というイベントに出席してきた。


佐藤伝さんは【習慣の専門家】という、たぶん日本で一人しかいない肩書きを持っている人で、習慣に関する本をたくさん出版している。


僕も、このブログで、
『幸運を呼びよせる朝の習慣』
幸運を呼びよせる 朝の習慣    →僕のレビューはこちら


『魔法の習慣』
たった1分でできて、一生が変わる!魔法の習慣    →僕のレビューはこちら


『行動習慣コンパス』
行動習慣コンパス    →僕のレビューはこちら


を紹介させていただいた。


佐藤伝さん(ニックネーム伝ちゃん)の著作売上げが累計100万部を超えたことをお祝いするイベントには、いろんな出版社の編集者もお祝いに駆けつけていた。


その中の一人、学研パブリッシングの総括編集長という、なんだかスゴそうな肩書きの方と名刺交換させていただいたとき、「ブックレビュアー」という僕の名刺の肩書きを見て、その総括編集長が「今、イチ押しのココロにしみる本です」と1冊の本を手渡してくれた。


それが、本書、『いつも君のそばにいるよ』である。


今日は、ちょっと厚めの大人の絵本を紹介させていただく。


主人公は、黒猫のミィ。人間でいうと20歳くらいの女の子である。


生まれた時に母親とはぐれて、それからずっとひとりぼっちで生きてきた。
3日も食べていなくて、空腹でふらふらしていたとき、恐ろしい人間に追いかけまわされ、たたかれて、けられて、ゴミ箱に入れられた。


失望と痛みと空腹で気を失いそうになったと、やさしく抱き上げてくれた人がいた。
その人は、顔が☆の形をしたスターリィマンだった。


大好きなミルクをお腹いっぱい飲ませてもらい、身体もきれいにふいてもらったミィは、スターリィマンと旅に出ることになった。生きる喜びを見つける旅に。


ミィとスターリィマンは、行く先々で、つらい思いをしている人々に出会う。


お父さんを亡くし、長いこと入院生活をしている10歳の少女。
まじめに5年も勤めていた会社から、突然説明もなく解雇されたOL。
すれ違いの毎日に、心が離れそうになっている結婚10年目の夫婦、etc.


スターリィマンは、出会った人々の幸せを願いながら、色とりどりの風船をプレゼントする。


入院生活をしている10歳の少女には、紫色の元気の風船を、
解雇されたOLには、黄色い夢の風船を、
そして、結婚10年目の夫婦にはピンクの愛の風船を贈ったのだ。


風船を手にした人々は、それぞれの風船に込められたメッセージを感じとり、忘れかけていた大切な何かを思い出す。もう一度、新しい一歩を踏み出しはじめた人々を見とどけ、ミィとスターリィマンは、次の旅に出かけるのだった。


最後の章で、9つ目の水色に輝く幸せの風船を受け取ったのは……。



著者のはせがわ芳見氏、作画のはせがわいさお氏はコンビで作品を発表しつづけている夫妻である。
1987年に、娘の3歳の誕生日プレゼントとして初めて『スターリィマン』を描き、これまでに3200点も作品を創作している、とのこと。


伝ちゃんの「100万部突破!記念交流会」にも成人した娘さんと3人で来られていた。


幸せな家族の、仲のよい日常生活の中から、『スターリィマン』は生まれた。


「いつも君のそばにいるよ」というスターリィマンの言葉は、実は、別れの場面で言ったひとことである。


たとえ遠く離れていても、心は君のそばにいる。


深く信頼で結びついているからこそ、いつもそばに誰かがいる幸せを感じることができる。一人なのに独りじゃない。


ポエムのような語りと、パステルカラーのイラストが、読者の心に灯をともしてくれるに違いない。