インターネット検索ってスゴイ!


先日、「突然すみません」という件名のメールをいただきました。


僕のふるさと北海道の「美園小中学校」へ行ったことがある、と書いてあります。
偶然このブログを見つけた、とのことで、「こちらの写真のなかに、浅沼さんはいらっしゃいますか?」と、白黒写真が添付してありました。



添付してあった写真


おおっ! 懐かしいなぁ……。
後列左側が秋山(秋本?)校長先生、その前が菊池先生、後列右側が伊藤先生、その前が松下先生。10名写っている小学生も、間違いなく僕の母校、美園小学校の面々です。


僕は後列右側から2番目で、3つ下の弟も前列左から3番目に写っていますので、この写真は、僕が小学校4年か5年(昭和42年か43年)のひな祭りに撮影したものに間違いありません。


メールの送信者は「旭川の北口というものですが」という方です。

旭川の北口さん、と言えば……、あの「北口さん」に違いない!!


北口さんというのは、僕の母校、美園小中学校に遠くから様々な援助をしてくれた篤志家の方です。


いまテレビでは連日ロンドンオリンピックの話題が盛り上がっていますが、日本で最初のオリンピックが開催された昭和39年、北海道全域が深刻な冷害に見舞われました。
僕の地元も冷害のために作物がほとんど収穫できないという状態だったのですが、その窮状がテレビで紹介され、全国から救援物資が送られてくるという反応がありました。


多くの支援が一時的な援助で終わった中で、その後も続けて支援して下さる方が一人おられました。それが150キロ遠方の旭川市でお菓子屋を営んでいる北口さんという方で、継続的に学校に贈り物をしてくれたのです。


2月には雛人形、4月にはこいのぼり、11月にはクリスマスツリーが送られてきます。しかも、最初の年にお内裏様とお雛様、翌年は三人官女、3年目に五人囃子と、少しずつ続けてくれるのです。
僕たち生徒にとっては、季節が変わるたびにサンタクロースが現れるようなものでした。


メールに添付してあった写真でも、生徒たちの真ん中に飾ってあるのは、北口さんから贈っていただいたおひな様です。
「いつも、ありがとうございます。みんな元気です」というご報告と御礼の意味をこめてお送りした写真に違いありません。


北口さんは、その他に、小学館の「小学校○年生」という学習雑誌や、やはり小学館から刊行されていた「少年少女世界の名作文学」という書籍も毎月送って下さいました。
「少年少女世界の名作文学」は全部で50巻ありますから、4年以上継続いただいたことになります。


図書館もない小中学校でしたので、北口さんの贈っていただいた書籍はとても貴重なものでした。
感謝を込めて「北口文庫」と名付けられた本を、僕も楽しみに読ませてもらいました。
僕が小中学校の時代に読書習慣ができたのも北口文庫のおかげで、その45年後にこうして書評ブログを書いているのも、北口さんのおかげです。


それにしても、よく見つけていただいたものです。
ためしに、「訓子府 美園小中学校」でググってみると、このブログをはじめた頃に書いた記事(⇒2004年9月9日のこの記事)が3番目に表示されました。


さっそく返信メールをお送りし、近況をお尋ねしたところ、たくさんの贈り物をしていただいた北口さんは7年前に亡くなられ、メールを送っていただいたのは北口さんの娘さん、ということが分かりました。


そういえば、僕が小学5年のころ、北口さん一家が僕達の学校を訪問されたことがありました。ドキドキしながら到着を待っていると、やさしそうなおじさん・おばさんと、小学生のお嬢さん二人がライトバン(今はツーリングワゴンと言いますね)で到着。全校あげて準備をした歓迎会の来賓席にお迎えし、一生懸命に歌を披露したことを思い出します。


北口さんのお店は、今は娘さん御夫婦がお店を続けておられるそうです。


つぎに帰省したとき、お店(「菓子処 まるきた」)に寄ってみようと思います。