副題:普通のサラリーマンが黄金人脈を作る法則
著者:千葉 智之/講師 中川 ミナ/落描き 出版社:東洋経済新報社
2008年5月刊 \1,575(税込) 197P
「はじめまして リクルート千葉と申します」というメールが届いたのは、GW初日のことでした。
「普通のサラリーマン」だからこそ書けた、普通のサラリーマンに最も適した人脈術を解説する本を出すので、献本したい、とのお申し出でした。
リクルート社員って「普通のサラリーマン」かなあ(笑)、と疑問も感じましたが、リクルートに転職する前は、大手ゼネコン社員だったとのこと。私も現役サラリーマンですので、さっそく送っていただきました。
「人脈術」関係の本は読んだこともありませんが、著者の千葉さんによると、世の中には、偉い社長さんや有名プロデューサーやヘッドハンターの書いた人脈本がたくさん出ているそうです。
でも、そういうセレブの人が書く人脈本は、なるべく出会う人を厳選するよう指南しています。「パーティーなどでは、最初にキーパーソンと名刺交換しましょう。くだらない人と名刺交換をしていると、時間のむだですし、自分の価値を下げてしまいます」というようなアドバイスが載っているそうですが、普通のサラリーマンがこんな態度をとったら、「何を偉そうに!」と反感を買うだけです。
千葉さんは、こういうセレブ本と一線を画し、「普通のサラリーマンに最も適した人脈術がある」という信念で本書を書きました。
具体的な人脈作りノウハウを書く前に、千葉さんはまず第1章で、豊かな人脈があると、どれだけ素晴らしい人生が送れるかをイメージさせてくれます。
キーワードは、「人脈は最強の自分ブランディング」。素晴らしい人脈があることが、自分のブランド価値を高めてくれることを教えてくれるのです。
第2章からの具体的ノウハウは実際にお読みいただくとして、ひとつご注意したいのは、千葉さん、なかなかスパルタ式だということです。
第2章の表題からして「毎週知らない人に会いなさい」です。ムチの音が聞こえてきそうなビシバシ感(笑)にあふれていますね。性格的に人見知りの方には、第一歩がつらいかもしれません。心してついていきましょう。
普通のサラリーマンの私も、書評ブログを書くようになった頃、はじめての異業種交流会(社会人交流会)というものに参加しました。人数としては千葉さんの何分の1かもしれませんが、その後、会社生活だけでは得られない出逢いを重ね、とうとう本まで出版できたのですから、本書の内容には「うんうん、その通り」と頷くところがたくさんありました。
ひとつだけ、耳が痛かった「講座41」の内容を紹介します。
ここで千葉さんが強調しているのは、「初めてのお誘いは100倍の価値がある」ということです。
はじめてお誘いするときのホスト側の心情は、「迷惑じゃないだろうか」「いつも忙しそうだけど大丈夫だろうか」という心配に満ちています。それでも勇気を出して誘ってくれたのですから、OKの返事と「残念ながら……」の返事では天地雲泥の違いがあります。一度お断りすると、次回のチャンスはぐっと少なくなるに違いありません。
じつは……。
つい最近、ある出版記念パーティで話がはずんだWさんから、翌日のランチのお誘いを受けました。しかも、お会いしたことのない某ベストセラー作家と会食するので紹介したい、とのお申し出です。
しかし、私は技術職です。営業職と違って外出が少ないので、目立たずに会社を抜け出すことができません。
「浅沼さんも会社にお勤めということなので、難しいかもしれませんが」と負担にならない優しいお誘いだったので、「残念ながら……」とお断りしてしまいました。
こういうとき、千葉さんなら「行きます!(キッパリ)」と答えるに違いありません。
千葉さんは、もう「普通」のレベルから抜け出していますから。
こんな突き抜けた「講師」の話、聞き逃す手はありませんよ。
尚、本の内容とは直接関係ありませんが、2ヶ月前にも大学ノート風の本を取り上げました。(3月26日のブログを参照ください)
この本です。
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先日、テレビでも「王様のブランチ」で取り上げられたそうで、もうすぐ20万部を突破しそうな勢いだとか。
『出逢いの大学』も話題になるといいですね。