日経新聞の裏を読め


著者:木下 晃伸  出版社:角川SSC新書  2007年10月刊  \756(税込)  174P


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購読している新聞と読者の社会的階層に関連がある、という仮説を耳にしたことがある。


  日経新聞購読者:管理職・経営者層
  朝日新聞購読者:知的意識の高いホワイトカラー
  読売新聞購読者:知的意識の低いホワイトカラー、ブルーカラー


じゃ毎日新聞産経新聞読者は何なのだ、とツッコミが入りそうな説で、本当かどうか知らない。でも、日経新聞の敷居の高さが、うまく表現されている。
本書は、そのとっつきづらそうな日経新聞を読んでみましょうよ、活用してみましょうよ、という新書だ。日経新聞がそんなに素晴らしいものなのか、推薦の理由を読んでみることにした。


著者の木下さんは株式投資のプロで、ファンドマネジャー、アナリストという肩書きの人だ。景気動向はどうなのか、どの会社の株が上がるのか、という投資を左右する情報を手に入れるのに日経新聞が適しているのは良く理解できる。そりゃそうだ。だって「経済新聞」なんだから。
木下さんは、日経新聞のすごさは投資の世界だけでなく、ビジネス全般に必須である、と言っている。どうしてそうなのか、詳しくは本書をお読みください。


耳寄りな情報を二つだけ紹介させてもらう。
一つは、「日経テレコン21」という日経新聞過去記事の有料データベースが、証券会社に口座を持てば無料で使えるようになる、という“お得情報”が載っていたこと。
もうひとつは、日本ではあまり知られていない「景気の大きな山と40代の人口動向が連動している」という説を教えてくれること。この説に従えば、日本の景気回復もあと数年で終わってしまうという結論になる。そういう大きな流れを理解することが投資にもビジネスにも大切なことなんだろう。


恥ずかしながら、僕は、日経新聞を購読したことが一度もない。ずーっと朝日新聞の論調に文句を言いながら、それでも他の新聞よりマシかなあ、と朝日新聞を読み続けてきた。それも、以前ブログに書いたように、ここ1年くらい読まなくなった。代わりにポッドキャスティング番組「聴く日経」のダイジェスト版をipodで飛ばしながら聞いている。とくに不自由は感じないし、社会やビジネスに取り残されているという気はしない。


そんな僕がこの本を読んで、日経新聞を読む気になったかどうか。
著者には申し訳ないので(笑)、結果は報告しないでおこうと思う。