副題:社員と顧客に愛される5つのシフト
著者:斉藤 徹 出版社:日本経済新聞出版社 2012年11月刊 \1,995(税込) 365P
出版社さん、編集者さん、著者さんから書籍をお送りいただく機会が増えましたが、せっかくお送りいただいても、僕の読書スピードが追いつかず、レビューしきれません。
せめて、書名と内容の概略を紹介させていただきます。
本書の内容(アマゾンの内容紹介より)
「透明な時代の実践的な経営指南書」
──永井孝尚(『100円のコーラを1000円で売る方法』の著者)
本書はソーシャルな時代における実践的な経営指南書である。
前著『ソーシャルシフト』では、さまざまな先進企業事例を取り上げてソーシャルが企業にどのような変革を迫っているかを鮮やかに描き切り、巷にあるソーシャルメディアに関する数多くの書籍とは明確に一線を画した名著であった。
本書ではさらに一歩踏み込み、企業が「ソーシャルである」(BE ソーシャル)ために求められていることを具体的に語り尽くしている。
「企業がソーシャルである」とは「透明であること」。これからの時代、個人だけでなく企業にも求められる姿だ。
例えば消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為を行うステマ(ステルス・マーケティング)は企業のブランド毀損という大きなリスクをはらむ。
あるいは消費者に対する不誠実な態度は、たちどころにネットで共有され大きく広まる。
逆に、悩んでいるユーザーを探し出して能動的にサポートするなど非常に高い顧客満足度がオープンな場で広く拡散され、ブランドイメージが回復していった企業の例もある。
市場は社外と社内を分ける不透明さを許さない。逆に透明さ・誠実さを維持している企業の価値はますます高まり、ビジネス成果にも直結する。
だからこそ、企業には「透明であること」が求められているのだ。
では、企業が透明であるためにはどのようにすればよいのか?
実はそれは私たち日本人にとっては何も新しいことではない。そのカギは古くからの日本企業のあり方にあるとして、さまざまな観点で論じている。
例えば、本業を通じた社会貢献、社会的責任を説いた江戸時代の石田梅岩の思想。あるいは近江商人の「三方よし=売り手よし、買い手よし、世間よし」という伝統的精神。この商道徳は三井家・住友家・岩崎弥太郎による三菱家にも引き継がれてきたし、明治経済の立役者となった渋沢栄一、さらには松下幸之助にも受け継がれ、現代に至っている。
著者の過去の著作同様、本書も豊富な企業のケーススタディにより、とても説得力が高いものとなっている。
例えば、本書の第8章ではライフネット生命をケーススタディに検証している。
本書は、366ページの大著だが、1ページ1ページがとても読み応えがある。企業に関わるすべてのビジネスパーソンに大きな価値をもたらす筈だ。
著者
斉藤 徹
株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役社長。1985年3月慶應義塾大学理工学部卒業後、同年4月日本IBM株式会社入社、1991年2月株式会社フレックスファームを創業。2004年同社全株式を売却し、2005年7月株式会社ループス・コミュニケーションズを創業する。現在、ソーシャルメディアのビジネス活用に関するコンサルティング事業を幅広く展開している。 <主な著書>『新ソーシャルメディア完全読本』(アスキー新書)、『ソーシャルメディア・ダイナミクス』(マイナビ)、『Twitterマーケティング』(共著、インプレスジャパン)、『ソーシャルシフト』(日本経済新聞出版社)など、著書多数。