著者:坂本 敦子 出版社:日本経済新聞出版社 2011年1月刊 \1,365(税込) 187P
著者の手書き送り状(しかも封書)つきで献本いただいた。
最近、あまりビジネス書のレビューは書いていなかったが、今年は「積ん読」を増やさない! と決めたので、サクサクと紹介させてもらうことにした。
できる人は、「時間」を管理しているのではなく、もっと大切な「タイミング」を管理している。あなたも「ベスト・タイミング」をつかめるようになれば、仕事の効率も上がるし成果も上がる。あなたもタイミング・マネジメントを身につけよう!! ――というのが本書の主題である。
著者の坂本さんは、まずタイミング管理の大切さを訴える PART 1 で、タイミングを逃がしてしまう人を3つのタイプに分類し、仕事がうまくいかない人――流行の言葉で言うと“残念な人”――の8つの特徴を次のように分析している。
■ タイミングを逃がしてしまう人を3つのタイプ
- タイミングを「見落とす」人
- タイミングを「後回しにする」人
- タイミングを「決められない」人
タイミングを逃がしてしまう人は、結果として仕事がうまくいかない。
■ 仕事がうまくいかない人の8つの特徴
- 「自分が」ない
- タイミングは受け身だと思っている
- 優先順位が決められない
- 「やらされている感覚」が強い
- 仕事は量だと思っている
- 周囲の状況を見ていない
- 人に任せられない
- 自分中心のタイミングで行動している
仕事がうまくいく人は、この8つの特徴を裏返しにした仕事のしかたをしている。
「仕事は量より質を重視する」「相手にとってのタイミングを考えて行動している」等だ。
タイミングを外してしまう例として、著者は、大事なこと、緊急なこと、複雑な内容をメールで連絡しようと文章を考えているうちに時間が経過してしまう事態をあげている。誰しも、一度や二度は経験があるのではないだろうか。
メール連絡は記録に残るので誤解を防げるという特長があるが、タイミングを逃すと意味がなくなることもある。こういうときは、すぐに電話に切り替えるなど、ベスト・タイミングを逃さないようにしなければならないのだ。
とはいえ、仕事をたくさん抱えていると、どれを先に片づけたらよいか考えるヒマもなくなってしまう。
緊急で重要なことを第一優先で片づけなければならないのは当然だ。問題はその次。
緊急だが重要でないことと、緊急でないが重要なことのどちらに手をつけるかを間違えてはいけない。
坂本さんは、「緊急ではないが、重要なこと」を常に意識して着手することを勧めている。
自分の人生の主導権を握り、人生の主役に立つために、必要なこと。それがタイム・マネジメントとのこと。
ブック・レビュアーとして、自分はベスト・タイミングを図っているだろうか? と考えてみた。
今回、この本のレビューを書いたのは、ともかく「積ん読」をふやしたくない。放置しておくと、また本が増えてしまう、という僕の書きたい「タイミング」があったからだ。
もちろん、アマゾンのアフィリエイターの立場で考えると、この本をタイミングよく紹介して買ってもらうことが大切だ。ところが、この本、まだ発売になっていない。1月26日に発売予定だから、あと2日待ったほうがタイミングが良い、という見方もできる。
まあ、今回は、「発売前に紹介すると予約順位が上がり、出版社も著者も喜んでくれる」という見方をしておくことにしよう(^_^;)
坂本さんは言っている。
「あなたの人生(仕事・プライベート)の行動については、誰もタイミングを決めてくれません」
タイミングマネジメントのマスターファシリテーターである坂本さんのアドバイスを読んで、「悔いのない人生を自分の手で創」り、「自分の可能性を最大限に活かし、未来を切り開いて」いってはどうだろうか。