うしのひとりごと


著者:高田 千鶴  出版社:河出書房新社  2009年1月刊  \1,050(税込)  79 P


うしのひとりごと    購入する際は、こちらから


世の中は豚インフルエンザで大騒ぎしているなか、「牛」の写真集を紹介しちゃいます。
なんともゆったりした気持ちになる「うしのひとりごと」です。


写真集ですので、まずは現物のみほんをご覧いただきましょう。
この本のアマゾンページ(こちら)の左上に表示している立ち読み機能「なか見!検索」を覗いて見てください。


いかがですか。
笑っちゃうでしょ。


牛の写真に吹き出しを付けただけなのに、妙におもしろい。牛がコミカルに話しかけているように見えるのです。
この面白さは、牧場に行ってちょこちょこっと写真を撮ってきただけでは作れない面白さです。


たとえば、33ページの「ヨロシク!」という写真では、牛がウィンクしています。
牛にウィンクする芸を仕込むなんて絶対にできません。きっと、目に虫が入った牛さんが、パチパチっとまばたきして虫を追い払おうとした瞬間をとらえたのです。ええ、ええ、15歳までホルスタインと暮らしてきた私の推測に間違いはありません。
この一瞬のシャッターチャンスをモノにするまでに、カメラマンは気の遠くなるほど長い時間、牛と付きあってきたに違いありません。


さすが、牛の写真をライフワークにしているという高田さん。
「いやー、今日もいい天気だなあ」、「人生、そんなにアクセクしなくったって、なんとかなるさ」と、なんともホンワカした気分にさせてくれる優れものです。


年賀状から4ヵ月も経つと、今年が丑年だったのを忘れていると思いますが、河出書房新社さんは、「ゆる?い牛ブーム、ついに到来!」と言ってますので、ブームに乗ってあげてください(笑)。