著者:中島 未月/文 奥中 尚美/写真
出版社:PHP研究所 2008年12月刊 \1,260(税込) 79P
ことし5月に紹介した『「好き」からはじめよう』の著者から新刊を送っていただいた。
絵はがきに五行詩をちりばめて、40枚くらい重ねて製本したような、涼やかな詩集だった。
ああ、この本は、いま読めないな。
そう思った僕は、著者の中島さんにお伝えした。
「最近、ドタバタして、あまりゆったりできていません。
ゆったりとした時間に「心」で拝読した感想を書かせて
いただくつもりです」と。
少し早起きし、始発電車でひさしぶりに座ることができた日、心が波立っていないことをたしかめて、本書をひらいた。
通勤電車を書斎に変えるBGMを、今日は何にしようか……。
ipodのアルバム一覧から「Canon in D 100%」を選んだのは正解だった。
このアルバムには「パッヘルベルのカノン」しか入っていない。
8組のアーチストが別々のアレンジで、いつまでもカノンを奏でてくれる。
ゆったりとしたリズム、もの悲しげなメロディー、それでいて明るい希望に向かっていくようなクレッシェンド。
中島さんの「だいじょうぶ。」の持つ、やさしさと力強さにぴったりの選曲だ。
本書は、「大切な人にプレゼントできるギフトブックを」との想いをこめて作られた。
大切な人に伝えたいことって何だろう。
きっとそれは、
――かけてもらうとうれしい言葉。
――自分で自分を励ます言葉。
たったひとつ選ぶとすれば、「だいじょうぶ。」という言葉。
中島さんは言っている。
「だいじょうぶ?」ではなく、「だいじょうぶ。」
それは、信頼されている という安心感。
味方でいてくれる人がいる という心強さ。
無理しなくてもいいよ というやさしさ。「あなたはあなたのままで、だいじょうぶ。」
とびきり素敵なメッセージです。
この本の中には、たくさんの「だいじょうぶ。」がつまっている。
心が折れそうになっている人は、「だいじょうぶ。」のぬくもりに、お日さまを感じるかもしれない。
ここのところ、悩みや不安から解放されている僕は、お月さまのやすらぎに触れた気がした。
あなたも、この本を手にとってみてほしい。
きっと、大切な人にプレゼントしたくなる。