「はぁ? タンサンですか?」


暑い日がつづく中、先日、田町駅で冷たい飲み物をくばっているのに出くわしました。


クリスタルガイザー スパークリング(レモン)という大塚ビバレジの商品でした。
ノンシュガー・ノンカロリーの炭酸飲料で、キリンのNUDAみたいな飲み物です。


「キリンのNUDAみたい」で通じてしまうところに(笑)、一歩先んじられてる感がありますが……。


さあ、大塚ビバレジ。巻き返しが成功するでしょうか。


……と、自分の業界でないと、まったく人ごとですが(笑)、ひさしぶりに甘くない炭酸飲料を飲んでいて、高校の修学旅行を思い出しましたよ。



あれは、もう、30年以上まえ。
北海道から京都までの修学旅行のできごとでした。


東京から生まれてはじめて新幹線に乗り、クラスメイトと、「おい、ビュッフェいってみようぜ」と、今はなきビュッフェに向かいました。


タウンター式のバーに学生服の高校生がたむろして、めいめい注文します。みなジュースを注文していましたが、私はおこづかいを節約して、いちばん値段の安い「タンサン」を注文しました。


ボーイさんは、「はぁ? タンサンですか?」と怪訝そうな声をだし、「どうぞ」と出してくれたのは、透明な液体の入ったガラス瓶と、ガラスのコップでした。


いままで「タンサン」を飲んだことはありませんでしたので、ひょっとするとアルコールかもしれないと思いました。でも、値段も安いし、だいいち学生服相手にアルコールは売らないだろうと思いなおし、グイッと飲んでみました。


「味がしない……」


ボーイさんに、「おいしいですか?」と訊かれました。


「よくわかりません」と言うのも恥ずかしいので、
  「はあ、のどが渇いていますので……」
と言っておきました。


あとで友人に、「バッカだな。タンサンていうのは、ウイスキーを割ったりするときに使うんもんだ。タンサンだけ飲む人はいないっしょ!」と言われたものです。


タンサンだけ飲む時代が来るとは、誰も思っていませんでしたね。