副題:相手の潜在意識から説き伏せる!
著者:石井 裕之 出版社:日本実業出版社 2006年3月刊 \1,365(税込) 205P
「コールドリーディング」をテーマにした『一瞬で信じこませる話術コールドリーディング』を2月15日のブログで取り上げました。
コールドリーディングとは、事前の準備なしで初対面の人を占うことで、『一瞬で信じこませる……』は、悪用するニセ占い師に注意しましょう、という趣旨で書かれました。
本書は、同じ著者がコールドリーディングをビジネスに応用しましょう、と書いたものです。
といっても、相手に催眠術をかけて契約書にサインさせましょう(笑)なんていう手法ではなく、相手の心に自分の好印象を刻み込むためのテクニックを公開しようというものです。
具体的ノウハウは本書を読んでいただくとして、私が感心したことを一つだけ紹介させていただきます。
それは、何を言ってもノーばかり言う相手への対処法です。
こういう人は、きっとネガティブな人なのでしょう。こちらまで暗い気持ちになってしまいます。しかし、ここで引き下がってはいけません。ビジネスの目的を達成するためには、こういう相手の性格も逆手にとらなければならないからです。
このようなタイプのお客様への対処法は、とにかく心ゆくまで「ノー」と言わせることです。好きなだけ否定させてあげるのが重要、とのことです。
こういう人に商品を薦めるときは、商品のメリットを説明しても、疑り深い目で見られて否定されるだけです。むしろ、「どうせ、こんな商品は必要としていませんよね」という言い方をすると、「かってに要らないと決めつけるなよ。見せてみろ」という展開になるとか。
ふーん。かなり高等なテクニックですねぇ。
他にも、
「ピンチをチャンスに変える二つの方法」
「自分の中でカリスマ性を呼び覚ます1ヶ月プログラム」
など、興味を引くノウハウがたくさん載っています。
著者の言うには、売れるビジネスマンは話がうまいわけではありません。また、聞き上手が万能なわけでもありません。
本書を読み終わる頃には、優秀なビジネスマンになるためのテクニックを理解している。あとは、読者がそのテクニックを実践するかどうかだけ。――と著者は自信たっぷりに本書を結んでいます。
疑い深いあなたには、次のように申し上げましょう。
「あなたは、手に取ろうともしないで
チャンスを逃すタイプなんですよね」(笑)