ピーコとサワコ


2005年2月刊  著者:ピーコ , 阿川 佐和子  出版社:文藝春秋  \1,365(税込)  247P


ピーコとサワコ


壇ふみの本が面白かったので、次は阿川佐和子の本を読むことにしました。ピーコとの対談が最新刊らしかったので、図書館に予約。図書館に入着した日付印を見ると、私が最初の貸出者です。(ちょっと、うれしい)


予想を裏切らない面白さでした。ただし、話の中心はサワコではなくピーコの方です。おしゃべりパワーが違いますから、必然的にサワコが聞き役に回ります。
「書き下ろし」ならぬ「語り下ろし」の本書では、芸能人の好き・嫌いに始まって、ファッションの話で盛り上がった後、ピーコの少年時代、学生時代、社会に出て苦労していた時代の話が淡々と語られます。
私は知らなかったんですが、ピーコは義眼を入れているんですね。片目を失ってから人格にも芸風にも深みが出てきた、とのこと。
芸能人になる前は、ファッション関係の仕事の傍ら、姉といっしょに洋服の製作をして家計を支えていた、なんていうのも初耳。芸能界で生きていく上でも、石井好子という師匠を軸にしてきちんと人間関係を結んでいるとのこと。なんだか、騒がしいだけの人と思っていましたから、読んでいて意外でした。


ちょっとだけ、楽しい雰囲気を紹介しましょう。
まずは、サワコらしい一言。

ピーコ だから、オートクチュールを着るのは、ホントは働いているような人はダメなの。
サワコ 家でお皿なんか洗ってる人じゃいけないんだ。
ピーコ 世の中には、『ホワイトクリスマス』を作曲したアービングバーリンみたいなご先祖を持ってる人もいるのよ。この曲だけで、毎年、印税が何億も入ってくんだから。
サワコ 楽でつまんなそうな人生。



次はピーコ。ちょっとお下品ですが……、

ピーコ 当時は戸川さんのお姉さんがママをやっててね。レズビアン・バーだったから、お客はみんなレズよ。もう全員レズ、レズ(笑)。今はビアンとか呼んでキレイだけど。
サワコ あ、今はビアンって言うんですか?
ピーコ そうよ。そのほうがキレイじゃない。レズって言うと汚いじゃん。ホモも汚いけどさ。