結婚の条件


2003年11月刊  著者:小倉 千加子  出版社:朝日新聞社  価格:\1,260(税込)  189P


結婚の条件


本書を読んでいると、森羅万象すべてを一つの物指しで測った時の「ああ、そうだったのか!」という感動が湧きあがってきます。
マルクスは世界を「経済」で説明し、天野祐吉はすべてを「広告」で説明しようとしました。そして小倉千加子は「すべての鍵は、『結婚』が握っている」と本書の開始早々に書いています。


本書は、小倉流フェミニズムの立場から主に少子化の原因について書いていますが、どこを開いても、「結婚」という視点でスパッと説明されている気持ちのいい評論です。
冒頭でまず驚かされるのは、イタリア・ドイツ・日本の関係です。世界で最も合計特殊出生率の低い国を順に挙げるとこの三国になるそうで、「これは、どこかで聞いた組み合わせではないか」と前振りした後、著者は、「日・独・伊は、戦前から女性に母性と主婦性を強要するでもあった。その国で、女たちは結婚することと母になることに静かに反乱を始めているのだ」と、“結婚”の視点から見た共通点を指摘します。
え、そうだったの?


大学生のアンケートによると、女性が男性に求める最大の条件は「経済力」で、男性が女性に求める最大の条件は「美人であること」だそうです。著者はズバッと言います。
   結婚とは「カネ」と「カオ」の交換であり、女性は自分の「カオ」を棚
   に上げて「カネ」を求め、男性は自分の「カネ」を棚に上げて「カオ」
   を求めている。
えぇっ、そうだったの。


少子化というのは、そもそも結婚する人が少なくなる「晩婚化」が直接の原因で、その晩婚化の原因は「適当な人がいない」こと。女性から見れば、長男でないこと・経済力・安定した職業、という3条件を満たす人が現れないのが原因である。
ひぇ〜、そうだったのか〜!


その他にも、女性の生き方と結婚相手に求める内容を学歴別に分析したり、『だめんずうぉ〜か〜』の“くらたま”こと倉田真由美がなぜ女性の共感を呼ぶのかを分析したり。
目からウロコを通り越して、ソクラテスのように裸で「ユリイカ!」と叫び出したくなるような爽快感がありました。


女性にも男性にも面白いと思います。ご一読あれ。