著者：菊入みゆき 出版社：ベストセラーズ 2006年4月刊 \1,418(税込) 190P
頭にくる言葉を浴びせられたとき、相手のほうが立場が上だったり、年が上だったり、もろもろの事情で我慢してしまうことがある。
あとになって、「なんであんな言われかたをされなきゃいけないの！」と、怒りが込み上げ、言い返せなかった自分を責めることもある。
そんな不健康なことにならないよう、著者の菊入みゆき氏が、その場でうまく対処する方法を指南してくれる。
それも、要点を突いてビシッと言い返す切り返しだけでなく、ちょっと深呼吸して相手を理解してあげる考え方まで指南してくれる。
私が一番感心したのは、「すぐに自慢する人」の心理を分析する次の言葉だ。
この人たちの特徴の一つは、まわりの人に認めてもらいたい、
ほめてもらいたい、という気持ちが強いことです。
「わあ、○○さんって、すごいんですねえ」
と言ってほしくてしかたがないのです。
すぐに自慢するヤツを好きな人などいない。それが、菊入さんにかかると、「褒めてもらいたくて仕方ない、可哀想な人なんですよ。理解してあげましょうね」と言わんばかりである。
大したものだ。これだけの包容力があれば、ムカッとして後で尾をひくことなんかあり得ない。
他に、人を見下す人、疑り深い人、八方美人な人など、全部で１２のタイプ別に対処方法を教えてくれる。
ムカッとくる前に読んでおいた方がいい本である。
