ホリエモンショック


この一週間のホリエモン事件には、私もショックを受けました。
時代の寵児だったホリエモンが家宅捜索を受け、一週間後に逮捕。
マスコミの扱いは「堀江氏」から「堀江容疑者」に変わり、もはや極悪人扱いです。


確かに、リークされる操作情報、もとい、捜査情報が本当だとすると、ライブドア社とホリエモンが悪いことをしたのかもしれません。


それでも、割り切れない思いが残るのは、
  「他の人もやっているんじゃないの?」
  「なのに、なぜホリエモンだけが……」
と感じるからです。
ホリエモンの逮捕によって、マスコミが揶揄する「拝金主義」は少しは沈静化するのでしょうか。
むしろ、それによって社会の活気が失われることの代償は、どれほどの大きさになるのでしょうか。


以下、今回の事件で思い出した本を2冊挙げさせていただきます。


会社の利益を操作してでも株価を上げる、という手法は、アメリカの優良企業だったエンロンが破綻したとき大きな問題となりました。
エンロンの会計捜査の手法を描いた『エンロン崩壊』という本を読むと、今回の事件との類似性に驚かされます。
破綻によって人生を狂わされた人の悲劇にも言葉を失います。


また、ITベンチャーの旗手として有名な孫正義氏も、ソフトバンクを拡大する過程で、買収先企業の赤字部門を引き受けるためにMACという個人会社を運営していたことが彼の評伝『幻想曲』に書かれていました。
もし、拡大途上のソフトバンクが今回のような「国策捜査」に狙われていたら、ADSL料金が一気に下がることも、携帯事業に複数社が参入して(これから)活況を呈することも無かったことでしょう。


◇ 参考ブログ
 ※1 藤田正幸著『エンロン崩壊』
   http://d.hatena.ne.jp/pyon3/20051024
 ※2 児玉博著『幻想曲』
   http://d.hatena.ne.jp/pyon3/20051006