コミュニケーション集中治療室


副題:共感でココロをつなぐ魔法の処方箋
2005年12月刊  著者:須子 はるか・松村 香織
出版社:東洋経済新報社  \1,470(税込)  197P


コミュニケーション集中治療室


著者のお二人は、2004年12月から月1回、「コミュニケーション集中治療室」セミナーを開催しています。
集中治療室の名前に因んで、講師が注射器を片手に女医とナースのコスプレ(本書の表紙帯にも写真が載ってます)であらわれる(!)という衝撃的な演出が受け、たいした宣伝もしていないのに、毎回、満員御礼とのこと。


そのセミナーのエッセンスを本にするに当たって、「検査」「診察」「症例」「処方」など、病院用語を巧みに使っています。読者があまり深刻に考えずに、「美人の女医とナースに、コミュニケーション不全を治してもらおーっと」という気分にさせてくれますよ。


内容はけっこうまじめです。
   第1診察室 伝えたつもりがひとりよがり病
   第2診察室 オレオレ症候群
   第3診察室 会話マンネリウィルス
   第4診察室 ネガティブな思い込みシンドローム
   第5診察室 自己主張不全症候群


いるいる、こんなヤツ。と、つい他人のコミュニケーション不全を思い出してしまいますが、著者も言っている通り、一番深刻なのは、自覚症状がないこと。わが身を振り返るのが大切ですねー。
コスプレまでして伝えようとしているんだから、「いっちょ試してやるか」そんな気持ちでお読みください、とのこと。


けっこう切実だったのが、第2診察室の症例2「会う度に小言かグチ、ネガティブオレオレの恐怖」。
いるんです。私の近くに。
本書の「処方箋」には、
   相手の「楽しい!」を引き出そう
   相手が好きなこと、得意なことに関連する話題を選ぼう
という対策が書いてありますが、それくらいじゃ太刀打ちできそうもありません。
ホントにグチを言われるたびに、こっちもいやな気持ちになるんですよねー。グチグチグチグチ……。
い、いかん。私がネガティブオレオレ症候群に感染している。
巻き込まれないように気をつけなくっちゃ。