コンビニ人間


著者:村田 沙耶香  出版社:文藝春秋  2016年7月刊  \1,404(税込)  151P


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このメルマガで芥川賞作品を取りあげたことはない。


直木賞が「大衆文芸作品中最も優秀なるもの」に授与されるのに対し、芥川賞は「純文学短編作品中最も優秀なるもの」に与えられる。


「純」文学ということばが、「不純」文学を見下しているようで好きではないし、芥川賞作品を読んでみても、すっきり割りきれないモヤモヤした終わり方を不満に感じてしまう体質なので、そもそも芥川賞受賞作品をほとんど手にとったことがない。


昨年話題になった又吉直樹著『火花』も、家族が読みたいというので買ってはみたものの、とうとうぼくは読み通せなかった。
芸人のピース又吉は好きな芸人の一人なので50ページくらい目をとおしたものの、作品が面白く感じるようになるまでガマンできなかったのだ。


しかし、この第155回芥川賞を受賞したこの『コンビニ人間』は違った。
読む前から著者に興味を持っていたので、すらすら読了することができ、「これは面白い!」と感じた。


賞の発表から2ヶ月がすぎ、少し古い話題になってしまったが、今日はこの芥川賞作品を紹介させていただく。

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