副題:超高齢社会をビジネスチャンスに変える方法
著者:村田 裕之 出版社:ダイヤモンド社 2012年11月刊 \1,680(税込) 205P
帯に、次のような刺激的見出しが並んでいる。
◆コンビニで、大人のオムツが当たり前に売られる日がやって来る!
◆リカちゃん人形に「おばあちゃん」が登場した理由
◆シニア消費100兆円の知られざる真実
◆「高齢者にやさしい」と、逆に高齢者に受け入れらない!?
◆インターネットを駆使するスマートシニアの増加で、市場が激変!
高齢化社会は予想以上に早い。シニアビジネス待ったなし! というのが本書の主題である。
待ったなし! なのは、大人用の紙オムツやリカちゃん人形だけではない。ゲームセンターはシニアの遊び場になってきている、カラオケも平日昼間はシニアが主要顧客になりつつある、スマートフォンの主戦場はシニア向け、等々、かつての常識が変わりつつあるのだ。
この動きに目をつけて、企業活動もシニアをターゲットにしてきているが、著者の村田氏に言わせると、まだまだ甘い。従来の大量生産・大量消費によるマス・マーケティングに慣れきっている発想では、「多様なミクロ市場の集合体」であるシニアマーケットに切り込めないからだ。
では、どうすればシニアマーケットを掴んでいけるのか。
ネタばれに注意しながら、目についたポイントを列挙させてもらう。
- シニア層は、これからインターネットを活用してスマートシニアになる
- らくらくスマートフォンよりもシニアはタブレットのほうが有用
- ユーザーが変化しているのに、企業側が変化していない市場がこれから有望
- 元サラリーマンが沖縄でダイバーになったり、パートでレジ打ちをしていた女性がダンスの先生になるなど、シニア世代は、何かいままでと違うことをやりたくなる傾向がある
- 人は「わくわく」すると消費する
- 高齢者の呼び方は難しい。「シニア」「シルバー」「サードエイジ」のほか、「熟年」「アラカン」「グランド・ジェネレーション」など、みんな工夫している
- 高齢化に伴うコスト増・収入減でアメリカは大家族へ回帰している
- 日本でも「近居」による「ゆるやかな大家族」が増えていく
高齢化社会のトップを行く日本だからこそ、日本で揉まれたシニアビジネスは世界で通用する。日本で成功したシニアビジネスは世界のリーダーになれる! と村田氏は言っている。
とかく暗いイメージに陥りがちな高齢化社会に明るい希望を見出すとは、なんと前向きな。