災害ボランティアに行ってきました(2)

いよいよカフェ隊の実務へ

活動2日めの11月29日(火)、いよいよカフェ隊の実務がはじまりました。


「遠野まごころネット」で長期間にわたってカフェ隊で活動しているお二人から、カフェ隊の活動内容や注意事項をうかがいます。


カフェ隊の主目的は、仮設住宅でお茶会(お茶っこ)を開いて、コミュニティ生成のお手伝いをすることです。お茶会に来られた人どうしが、「あら、あんた、この仮設にいたのかい」と顔見知りを見つけたり、知らないどうしが仲よくなれば大成功です。


この日はお日様がポカポカして、この季節にしては珍しく15度まで気温が上がりました。いつもならあらかじめ予告して「お茶っこ」を開くのですが、午前中は予告なしで屋外に机をならべてお茶会です。
14人が参加し、和やかにお話しして帰っていかれました。


午後は、別の仮設住宅の集会室へ場所を移します。
あらかじめ予告していたので、楽しみにしていた11人がいっぺんに来場。ほぼ全員がコーヒーを注文したので、厨房担当の僕はアセアセでした。




お化粧品の話題をしていたこと思うと、「復興って何さ!」と話題が転換し、今後の見通しの話しになりました。


今までと同じ場所に家を建てたのでは単なる「復旧」になってしまう。そうではなく、もっと先を見すえた「復興」をしなければならない。
――僕もよく耳にしたコメントです。


ところが、

  「高台、高台って言うけど、どこにそんな土地があるのさ。
   地主がすぐにウンって言うのかい。5年も10年も、老い先短い
   あたしらは、とても待てないよ!」

と、おばちゃんが怒気を含んだ声で話していました。


これが現地の人のナマの声なんだ……。


簡単に答えのでない、難しい問題です。
でも、カフェ隊の仕事は、皆さんの意見を集約して行政につなげることが主目的ではありません。
話題が変わり、また笑い声が響きはじめると、「コーヒーのおかわりいかがですか?」と声をかけます。


後片付けがはじまっても、まだ話に夢中になっている方もおられます。


長期ボランティアの方から、
「浅沼さん、お話しが上手なので、後片付けは結構ですから、お話し相手をしていてください」
と言われました。


ちょっと嬉しい (^o^)/

信頼されている長期ボランティアさん


翌30日と、翌々日の12月1日も、同じ長期ボランティアさんと一緒に大槌町仮設住宅で「お茶っこ」しました。


長期ボランティアさんは、どの仮設住宅でも顔なじみです。
もう何度も「お茶っこ」に誘いに行っているので、体調が悪そうで出てこられない人がいると、カップに入れたコーヒーをお盆に載せて、1時間くらい出前に行ってしまうこともあります。


長期ボランティアさんがおとな達と顔なじみなのを知っているので、子どもたちも安心して近寄ってきます。
そろそろ「お茶っこ」を終わろうとした時に幼稚園バスで帰ってきたお姉ちゃんたちが合流してきて、子どもたちのはしゃぎ声が響きわたる場面もありました。


片付けを終えて、仮設店舗で営業をはじめた魚屋さんに寄ったら、「いつもご苦労さま。食べてって」と、揚げたてのカキフライをごちそうになったりもしました。
ふだんから地元に溶け込んでいる長期ボランティアさんが信頼されている証拠です。アツアツで、ジューシー。たいへんおいしくいただきました。



遠野市から大槌町までの移動中に聞いたお話では、「遠野まごころネット」の長期ボランティアさんは、つい最近まで体育館で寝泊まりしていたそうです。
僕が参加した神奈川のボランティアセンターと所属する組織が違うので、生活する環境も違うのです。


最近、体育館からプレハブの宿舎に移動したらお風呂が有料になってしまった、とのことでした。


僕たち短期の応援者が夜7時前に宿舎に着いたあとも、長期ボランティアの方はミーティングが待っています。


車から降りるときに、「今日こそシャワーを浴びられるといいですね」と声をかけたこともありました。


本当に頭が下がります。


(……つづく)