「腰痛」にならない生活、治す生活


著者:夏山 元伸  出版社:講談社  2009年8月刊  \1,000(税込)  110P


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腰痛持ちとして、このタイトルを見逃すわけにはいかない。
特に「治す生活」にググッと惹かれて手に取った。


著者の夏山氏は関東労災病院整形外科部長を務める医師。いままで手術することに全身全霊を傾けていたとのこと。しかし、手術が必要な一部の重傷患者の治療も大切だが、軽傷ではあるものの、腰痛で悩んでいるもっと多くの患者の力になることのほうが大切である、と思い至って本書を書いた由。


実は、僕は整形外科医に不信感を持っている。
5年前に慢性の腰痛になったとき、総合病院の整形外科の医師に「手術するほどではありません。あとは様子をみましょう」と言われた。「様子を見る」とは「何もしない」と同じ意味であることを知ったとき、整形外科医は冷たい! と思った。


痛くて痛くてたまらない患者が目の前にいるのに、何もしてくれない。西洋医学は何と冷たいのか……。


痛みのあまり腰を曲げるように歩いているのを見かね、取引先の知りあいが「良い整体師を知っていますが、よかったら紹介しましょうか」と声をかけてくれた。藁にもすがる思いで訪ねたのが、今もお世話になっている整体師の先生だ。


この先生、「体をまっすぐに矯正し、背骨をきれいなS字にすれば腰痛も首の痛みも治る!」という信念を持ち、実際に私の腰痛を劇的に治してくれた。まさに“ゴッドハンド”先生だ。
これだけ患者にありがたい存在なのに、「医師」ではないので健康保険が適用されない。1回6千円の出費は痛いが、背に腹は代えられない。(ちなみに、確定申告の医療費控除には保険外の整体治療費もカウントして良い、ということを後で知った。この時ばかりは税務署に感謝したくなった(笑))

少し不信感を持ちながらこの本をめくってみると、整体師の先生に言われたのと同じことが書いてあってびっくりした。


たとえば、「正しい姿勢とは、体が左右対称で重心線が正しく通っているもの」との記述。正しい姿勢を保つために、たとえカバンひとつでも同じ手に持たずに交互に持つようにすべき、と指摘している。
また、自分に合った枕、正しいイスの座り方、正しい体重(要は痩せろ! ということ)等、整体師の先生が僕に説教していることと全く同じだ。


そうか。やっぱり人体を極めると、西洋医学東洋医学も同じ結論に達していくのだな。


「いままで手術することに全身全霊を傾けていた」という最初の自己紹介を読んだとき、患者をみればすぐに手術室に送り込んできたような印象を受けたが、著者はやみくもに手術してきたわけではないらしい。
「手術はあくまで最後の手段」という著者の言葉を読んで、「同じ整形外科医でも、僕を見放した医者とは違う」と思った。著者の夏山センセは信頼しても良さそうだ(笑)。


では、どんな時に病院に行けばよいかというと、夏山先生は次のようにおっしゃっている。(急に敬語になったりして…)

  • 2〜3日しても激しい痛みが一向に治まらない
  • 脚にも痛みやしびれがある
  • 脚に力が入らない、排尿・排便に困難がある


先週ぶり返した僕の腰痛は、2〜3日しても激しい痛みが治まらなかった。脚のつけ根にも痛みがあった。ただ、ありがたいことに「排尿・排便に困難がある」までではなかった。


昨日も会社を半日休んで“ゴッドハンド”先生に治療してもらい、だいぶ痛みが和らいだ。今日はパソコンデスクに向かい、椅子に座ってブログを書いている。これから少しずつでいいから、快方に向かって欲しいものだ。


本の紹介よりも自分の腰痛話が多くなってしまったが、さっきも書いたように、夏山先生は信頼できそうである。


腰痛持ちの人に、ぜひ一読をお勧めする。