副題:「貯蓄から投資」にだまされるな
著者:小宮 一慶 出版社:朝日新書 2008年8月刊 \756(税込) 236P
昨日に引き続き、お金のお勉強です。
今日取りあげるのは、ジビネスマンとしての人生の大半を金融と関わって過ごしてきたという小宮さんがお金を知り、殖やす方法を教えてくれる一書です。
類書が山ほどある中で、私がこの本を手にしたのは、
「貯蓄から投資」にだまされるな
という副題に惹かれたからです。
小宮さんは言います。
よく金融関係の本、特に投資を促す本を読むと、「日本では個人金融資産の
うち、預貯金が5割以上だが、米国ではその比率が1割程度」とした上で、
「貯蓄から投資の時代」が主張されていますが、そのような言葉にだまされ
てはいけません。
「日本では焼酎を飲む人が多いが、米国ではバーボンが多い」と言っている
のと同じです。この言葉を聞いて、焼酎を即座にバーボンに代える人がいな
いのと同じように、「預貯金」ベースの資産運用を株式などの「投資」に代
える必要など全くありません。
リーマンショック直前の昨年8月に、こう言い切っていたとは素晴らしい。
この人の言うことなら信じて良さそうです。
詳しい内容紹介は省略しますが、小宮さんの指南のスタートは、「守るお金」と「攻めるお金」を区別した上で、「攻めるお金」をよーく考えて投資に回すべき、ということです。
副題に「だまされるな」とあるように、
- 「長期で比べると投資のほうが預金よりオトク」という説明はウソである
- 「定期的に『リバランス』させましょう」などと「教え」るのは、手数料収入目当てのウソである
等、プロにだまされないための心構えがたくさん書かれています。
2冊比べてみると、勝間さんの本が、「リスクを取りましょう」と言っているのに対し、「貯蓄から投資」にだまされるな、という小宮さんは逆の主張をしているように見えます。
しかし、小宮さんの本も、「よーく考えよう」といいながら、「殖やす技術」として、初心者向けに「投資」を解説しています。
どっちの著者に背中を押してもらいたいと思うのか――。
あとは好みの問題かもしれません。
くれぐれも、「こんな本を勧められたおかげで大損こいた!」と私の書評を逆恨みしないでくださいね(笑)。
投資とリスクテイキングは、自己責任でお願いします。