副題:深呼吸する言葉
著者:きつかわゆきお 出版社:バジリコ 2008年3月刊 \1,260(税込) 127P
いやはや、なんともキャッチーな書名です。
本を手にする前に私がタイトルから受けた印象は、『国家の品格』のように若者に向かって何かお説教をぶっている評論集かなあ、というものでした。
実際に本をひらいてみると、予想は半分ハズレでした。
大きな活字で、1ページに2、3行のことばが書いていて、評論集というよりは、詩集のような体裁です。
半分当たっていたのは、その短いことばがグサッグサッと、心に刺さってくることでした。
少しだけ例を挙げます。
友だちの友だちは、赤の他人に決まってる。
1対1の関係をなめないように。
今を生きる。
今しか生きる場所はなく、生きる理由もない。
人の生き方について、一刀両断するような、結論をズバッと言う言葉が並んでいます。
さすが、我が師匠。
そうなんです。
本書は、リアル・テキスト塾という私塾でお世話になった橘川幸夫さんの最新刊なのです。
橘川さんは、若いころから、人生について、国家について、文明について、世界について、何でも自分の心と頭で考える人でした。
誰かえらい人の借り物ではなく、自分の心の底から発する言葉は、常識にどっぷり浸かっている一般人からすると、ハッとさせられるような警句になって響いてきます。
昨年、コピーライターの糸井重里さんとはじめて対談したとき、糸井さんは橘川さんのことを「この人は『おれに言わせりゃの宝物殿』」と評しました。
私もリアル・テキスト塾に参加しているころ、塾長の橘川さんが、
「日本とはこういうものだ」
「世界はこう動いているのだ」
「だいたい文明というものはなあ……」
なんて話を、浴びるように聞いていました。この塾、たしか文章塾ではなかったのなか(笑)、と不思議に思いながら。
そんな橘川さんが一番書きたい内容を、一番伝えたいスタイルで出版したのがこの本で、ご本人は「第2のデビュー本」とまで言っています。
「あなたの人生を変えるメッセージ」という帯の言葉は、あながち嘘じゃありません。
ぜひ、書店で手にとってみてください。
本の内容からはずれますが……
橘川さんはリアル・テキスト塾という私塾を開催しています。
現在、第9期生を募集中ですので、興味のある方は、こちら を覗いて見てください。
■趣旨
*書くことの意味を考えます。
*伝えることの意味を考えます。
■内容
*授業は2時間。座学とワークショップになります。
*毎回、課題による宿題があります。
■募集人数
*1期につき8人前後とします。
*開始は、8人の希望者が集まったらスタートします。
■期間
*月2回、土曜日の16時から18時です。
*3ヶ月、6回の授業があります。
■参加費
*1回につき3000円。3ヶ月18000円前納です。
■参加方法
*参加希望者は橘川までメールください。
開講月が決まりましたら、こちらから連絡致します。
*現在8期生まで終了して、9期生を募集しています。
私は第3期修了生です。2005年の1月から3月まで参加していました。
また、先輩の第2期の修了生に、『黄金のおにぎり』『幸せって何?』等の著者である高橋朗さんもおられます。
私が参加していたころは、東急の学芸大学駅から歩いて5分ほどのところにある橘川さんの事務所の1室で開催されていました。土曜日の16:00〜18:00が講義で、そのあと、各自持ち寄ったお酒とおつまみで懇親会に突入します。
懇親会には、橘川さんの友人の中でもとびきりアヤシイ人(笑)や、リアル・テキスト塾の先輩が飛び入り参加します。
「あなたの人生を変えるメッセージ」という本の帯の言葉は、この塾に参加すると実感できます。
ご検討ください。