幸運を呼びよせる朝の習慣


著者:佐藤 伝  出版社:中経出版  2006年12月刊  \1,000(税込)  125P


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佐藤伝さん(ニックネーム伝ちゃん)は、学習塾を25年以上も主宰してきました。「創造学習研究所」という名前で、ふつうの塾とちょっと違っています。どうすれば効果的に学習できるか、学習能力が飛躍的にアップするかを研究し、子どもたちに伝授するのです。
たとえば、漢字の書き取りは毛筆(筆ペン)でやるほうが覚えやすい、とか、万年筆を使うと計算ミスが少なくなる等。子どもたちに教えながら自分でも実践するようになったのが、朝には朝にふさわしいことをする習慣、夜には夜に適したことをする習慣です。


教育の現場で25年も実践しているうちに、佐藤さんは、
  良い習慣を身につけると、運がよくなる。人生も変わる!
ということを確信するようになりました。


その朝にふさわしいことをする習慣を52個教えてくれるのが本書で、『いい明日がくる夜の習慣』とペアになっています。
一つひとつ、簡単そうなことばかりですが、伝ちゃんの説明を読んでいると、深い裏付けがあることがわかります。


佐藤さんのおじいさんは仏教学者、お父さんは脳外科医でした。
ですから、本書に登場する52個の習慣には仏教の教えと医学的な根拠が共存していて、しかも、佐藤さんの積極性とユーモアで味付けされたひとことが「明日からやってみようかなあ」という気持ちにさせてくれます。


たとえば、3つ目の「お正月を思い出す」の解説。
「今年こそは○○を実践するぞ!」というワクワク感を思い出しましょう、というのが、この習慣を勧める理由ですが、そのあと、「悩みのない人はいない」ということを実感してもらうために、次のように言っていす。
  心配事のない人間など、もう肉体を持つ必要はありません。
  そういう人は、現世を卒業してとうに霊界へ旅立っているはず
  です。

心配事がなくなったら“現世を卒業”っていうのがユーモラスで、言われてみれば、その通りです。生きているから心配な事が起こるんですね。心配なことをグチるのではなく、「悩みがあって当たり前」と考えることが大切なのです。


次に、46番目の「先祖に感謝する」の解説では、「人は合掌したまま怒ることができません。(中略)それくらい合掌パワーってすごいんです」と言っています。
日本人なら、合掌することの大切さをすなおに感じたほうがいいみたいです。


特に印象的だったのが、26番目の「携帯電話の電源を入れない」でした。
その理由は、携帯電話をオンにすれば、そこから他人がどんどん入り込んでくるから、ということです。朝のうちくらい、自分のココロを心配事でザワザワさせないよう、自分の心を鎮めなければいけない。そのためには、「携帯電話の電源を入れない」ことが何よりです。


さて、図書館派の私ですが、この本は書店で買いました。その後伝ちゃんのセミナー開催を聞きつけ、サインしてもらおうと、この本を持って参加しましたよ。
伝ちゃんは、私の差し出したサインペンは使わず、鞄から筆ペンを取り出して墨痕あざやかに、次のように書いてくれました。


  浅沼ヒロシ君へ
  “ビビッと感じてサクッと行動
   行動すれば次の夢の舞台”
          伝ちゃんより


「サクッと行動」と言われると、難しいことも、サクッとできてしまいそうに感じます。
伝ちゃんに背中を押してもらって、サクッとやっちゃおう!