レバレッジ・リーディング


副題:100倍の利益を稼ぎ出すビジネス書「多読」のすすめ
著者:本田 直之  出版社:東洋経済新報社  2006年12月刊  \1,523(税込)  171P


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「自分に役立つものだけを効率よく選び、しかも短時間でモノにする方法」というキャッチコピーに期待をふくらませて読みはじめたのだが、途中で笑い出してしまった。
なぜなら、本を読む目的も方法も、まったく私と正反対だったから。


著者の本田氏が本を読む目的は明確で、「ビジネスで成功するため」。本を読めば読むほどビジネスに活用できるので、本への投資(たくさんの本を購入すること)にお金を惜しまない。年間100万円も本に注ぎ込むそうである。
ビジネス本で得た知識を活用すれば、仕事の効率も上がり、本を読めば読むほど時間が生まれる。だから、本を買ったお金は、将来100倍になって返ってくる! と言い切っている。


こういう本を読むと、自分の読書法が「アンチ金儲け主義のココロにしみる読書法」ということを再認識する。
本書は「将来100倍になって返ってくる」ことを期待して、もしくは信じてビジネス本を読んでいる。かたや、私が本を読む理由は、決して仕事に役立つからではない。むしろ、忙しい仕事や日常生活を離れて、ホッとする読書、ココロにしみるひとときを持つことを目的としている。
「ココロにしみる読書法」では、「どれくらい心を動かされるか」を基準に本を選ぶので、ついつい、「矜持」だの「愚直」だのに感動してしまう。うまく立ち回った方が良い場面で損な役回りを引き受けてしまう(貧乏クジを引く)こともある。
本を読むことによって、むしろ、損をしているかもしれない。


だから、というわけでもないのだが、私は本の投資にお金を惜しみ(笑)、読みたい本は図書館に申し込んでいる。