著者:福島 哲史 出版社:ロングセラーズ 2006年6月刊 \950(税込) 219P
2冊続けて文章読本に手を出してしまいました。
今度の著者の福島さんは講演、執筆、プロデュースを中心に活躍しておられるそうで、アマゾンで調べると、35冊も著書が見つかります。
本書は、たくさんの仕事をこなせる秘訣は「書く力」である、という主題で書きはじめられました。
ふつうの人は、何か伝えたいこと・言いたいことがあるから文章が書けるし、本も出版できる、と考えます。
ところが、福島さんは、
「書くことによって、伝えたいこと、言いたいことをひねり出せ」
と読者にハッパをかけてくれます。
「書く」ことからスタートすれば、考えを深めることもできるし、仕事のしかたも深くなる、というのです。
なぁーるほど。
こういう考え方の著者ですから、
「知識と書くことは、直接の関係はない」
「知識とは古典と同じく過去のものなのです」
と言い切っています。
ひょっとすると、本書も「書く力が仕事力を高める」というコンセプトを決めてから、内容をひねり出したのかもしれません。
たくさん仕事をこなせる人というのは、そういう訓練をしているのでしょう。
文章は考える道具、仕事の道具、と割り切っていますので、具体的に文章表現や書き方について書いてある分量は、それほど多くありません。
でも、どちらかといえば、私は、昨日の勝吉さんの文章読本より福島さんの本をお薦めします。
だって、勝吉さんの本を読むと、文章を書くのが怖くなります。
その点、福島さんの本を読むと、どんどん書こう、書けば書くほどいいことがある、という気持ちにしてくれますよ。