「ビッグイシュー日本版」を買ってみました


たまたま有楽町駅のビックカメラ前を歩いていて、路上でこの雑誌を掲げている人をみかけました。
「ホームレスの仕事をつくり自立を応援するための雑誌が発刊された」というニュースを聞いて、以前から興味を持っていましたので、さっそく買ってみましたよ。
表紙に「200円のうち、110円が雑誌販売者の収入になります」とあります。
ちょっとだけ解説すると、ビッグイシューは1991年に英国でスタートした雑誌です。
   誰もが買い続けたくなる魅力的な雑誌をつくり、
   ホームレスの人たちにはその雑誌の販売に従事してもらう
というポリシーが成功し、2003年9月から日本版がはじまりました。


ずいぶん昔、バブルの最中に「女性向け夕刊紙」の駅売りがはじまり、話題を呼んだことがありました。当時は東京に通勤していなかったので、東京出張で手にしたときには、ずいぶんワクワクしたものです。
久しぶりに手にする新しいメディアですので、今回も興味津々。
魅力的な内容、ってどんな内容なんでしょう。
私の購入した第51号の内容を概観してみます。


雑誌の顔である表紙と巻頭記事は、「アークティック・モンキーズ」というイギリスで話題を呼んでいる4人組です。
―― 英国版の記事を転載したのでしょうか。
   ロックバンド? 知らんなぁ……。


特集:女たちのサブカルチャー・コレクション
―― サブカルチャーというだけあって、私の興味が向きそうなものはありません。
   ちょっと不気味。気持ちが引いてしまいますねぇ……。


どうも、この雑誌のメインストリートは、私に合わないようです。
でも、路地裏には、おもしろい記事もけっこうありましたよ。


その1。これも、たぶん英国版の記事を転載したと思われるのが、「イラク帰還兵を待ち受ける新たな苦難」。
戦場で戦う兵士は、死と直面させられることによって95%がPTSD(心的外傷後ストレス障害)にかかるそうです。イラクに送り出した兵士が帰還しても、十分なケアをしなかったことによって、いまやロンドンのホームレスの4分の1が退役軍人とのこと。日本版ニューズウィークに載せても恥ずかしくない、格調高い告発記事でした。


その2。ビールの消費量の国際比較をした1ページもののコラム。


その3。ホームレス人生相談
婚約者を突然の事故で亡くしてから生きているのがつらい、という20代女性の相談が寄せられています。回答者のTさんは、自分の経験を通じて、「なんぼでも泣いたらいい。今はつらいやろうけど、苦しさは月日がやわらげてくれるから」と励ましていました。
ホームレスの人が一般人を励ます、という逆転現象が新鮮です。


日本のビッグイシューは、現在赤字とのこと。
1口10万円からの企業(団体)サポーターや市民パトロンを求めています。
興味を持った方は、http://www.bigissuejapan.com/ を参照ください。