生協の白石さん


著者:白石昌則;東京農工大学の学生の皆さん
出版社:講談社  2005年11月刊  \999(税込)  149P


生協の白石さん


大学生協掲示板の質問、要望コーナーから本書は生まれました。
ひとことカード」に書かれた、どんなふざけた質問でも、ていねいにウィットに富んだ回答をする白石さんは、ネットで紹介されてすっかり有名人になってしまいました。


本書が話題になって半年も過ぎてから読みました。
どんな質問にも一生懸命に答えようとする白石さんは、ほんとにいい人だなぁ、と思います。人柄の良さがにじみ出ていますね。


白石さんの「いい人」が極めつきなのは、このひとことカードがネット上で話題になってしまった時の対応のしかたです。遠慮がちにコンタクトしてきた学生にも穏やかな対応をし、単行本の出版にも、「こんな私のために……」と遠慮がちにさえ見えます。
テレビ、新聞などで取り上げられるようになっても、顔や本名は出さない、という基本を徹底しています。
ブログの女王の、あの眞鍋かをりが会いにいったときも、やはり顔は出さないことをお願いしていました。(「眞鍋かをりのココだけの話」2005年12月9日号参照)


東京農工大学の学生も、決して大騒ぎするでもなく、今までどおり「ちょっとおもしろい回答をしてくれる生協の職員」として白石さんに接しているようです。 この本の元になったブログも、週に2回くらいのペースで淡々と続いていますよ。


何かブームが起こると、集団ヒステリーでもみくちゃにされてしまう姿をよく見ますので、このリアクションは奇跡そのものですね。